2025年現在、マウスピース型矯正装置は日本国内だけでも数十種類、世界では数百種類にのぼるといわれています。日進月歩の歯科医療のなかでも、マウスピース矯正治療はデジタル技術の進化が著しい分野です。治療計画の立案や口腔内スキャナの導入、AIによるシミュレーションなど、新しい技術が次々と登場しています。そのため、つねに最新の情報をアップデートしていくことが欠かせません。一方で、どれほどデジタル化が進んでも、患者さんとの信頼関係や丁寧なコミュニケーションは、治療を成功に導くうえで欠かすことができない要素です。 また、インターネットやSNSの普及により、患者さん自身が矯正治療に関する情報を得やすい時代になりました。しかし、大学歯学部や歯科衛生士学校では、いまだにマウスピース矯正を体系的に学ぶ機会は多くありません。 そのため、現場の歯科衛生士が正しい知識をもち、患者さんからの質問に根拠をもって答えられることは、信頼を高めるうえで非常に重要です。正確な理解があれば、矯正治療だけでなく、歯科診療全体においても最適な提案ができるようになります。 本書は、私がマウスピース矯正の研修講師として全国の歯科医院でお伝えしている内容、そして日々の診療で大切にしている考え方をまとめたものです。みなさんが本書を通して「知っていてよかった!」と感じ、自信をもって患者さんと向き合える一助となれば幸いです。穴沢有沙はじめに正しい情報で、自信をもって診療にあたるために
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