病因治療を減らす顎関節症病態治療▪開口訓練▪筋マッサージ▪薬物療法痛みや開口障害を改善 98 DHstyle 2026 WINTER▪スプリント (アプライアンス)▪日常生活の改善指導 (TCHの是正など)原因となるリスク因子図❶ 顎関節症の初期治療法 顎関節症の初期治療は、「保存的で可逆的治療かつ証拠に基づく治療法」が望ましいとされています。また、その管理目標は、①痛みを減少させること、②顎機能を回復すること、③正常な日常生活を回復させること、④病因(リスク因子)に対する曝露時間を減少させることです1)。歯科医師はこれに基づき、顎関節症の病態からその患者さんに最も効果があると思われる治療法を選択していきます。初期治療の計画立案は、顎関節症を悪化、維持させる病因(リスク因子)に対する“病因治療”と現在の患者さんの症状を引き起こしている病態の改善のための“病態治療”の両方からアプローチします(図1)2)。 病因治療では、リスク因子の改善、スプリント(アプライアンス)治療などが挙げられます。一方、病態治療では開口練習などの運動療法、筋マッサージや低出力レーザーなどの理学療法、薬物療法などが行われます。これらの治療は、患者さんのセルフケアに頼る部分も多く、治療を成功させるためには本人の協力が不可欠です。 セルフケアは、患者さんが気軽に自宅で実施できる反面、自らがその治療の必要性を感じていないと実行しなかったり、セルフケアの方法を理解できておらず、医療従事者の指示どおりに行っていない、または勝手にやり方をアレンジしている場合があります。そのため、医療従事者と患者さん双方が治療法や必要性を理解したうえで一緒にセルフケアを進め、治療の過程でしっかりと実践できているかを確認すること(アドヒアランス)が、治療を成功させるうえで重要です。 このように、指導やフォローアップなどが多いため、より顎関節症への治療効果を上げるためには、歯科医師と歯科衛生士によるチーム医療が今後ますます必要になると考えられます3)。佐藤文明 Fumiaki SATO東京都・佐藤歯科医院今戸クリニック 歯科医師兜森彩日 Ayaka TOMORI東京都・佐藤歯科医院今戸クリニック 歯科衛生士顎関節症の初期治療① 病因治療
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