表❶ 栄養管理と呼吸管理の現状(参考文献2)より引用改変)栄養管理の実態■ 約7割が経管栄養(経鼻胃管、胃ろう、腸ろう)を必要としている■ 経管栄養のなかでも胃瘻を造設している子どもが多数■ 持続注入ポンプを使用している子どもも一定数存在■ 栄養管理と並行して呼吸管理を必要とするケースが多い呼吸管理の実態■ 気管切開を受けている子どもは医療的ケア児全体の約4割■ 吸引(気管内、口腔・鼻腔内)を必要とする子どもは約7割■ 在宅で人工呼吸器管理を必要とする子どもは約3割■ 酸素吸入を必要とする子どもは約4割存在表❸ 保護者のおもな不安・疑問■ どの食品をどの形態で提供すればよいか■ 十分な栄養が摂れているのか■ 口から食べる練習は進めてもよいのか造設や気管切開といった外科的処置は、栄養摂取や呼吸を安定させる一方で、嚥下や発声に影響を及ぼし、口腔機能や栄養の支援と密接に関連します2)。誤嚥防止を目的とした喉頭気管分離術を受けて在宅で生活する子どもも存在します。このように、栄養や呼吸にかかわる医療処置が日常生活の一部となっているケースは決して珍しくありません。3.口腔機能と栄養の相互関係 「口腔」と「栄養」は双方向に影響し合い、悪循環を生じやすい関係にあります(表2)。歯科医療がこの課題にかかわることは、単に口腔衛生の改善に留まらず、成長や発達、さらには在宅での生活の質を守ることに繫がります3)。4.保護者支援の必要性 医療的ケア児の生活を支えるうえで、保護者の役割は欠かせません。在宅での栄養管理や食事介助は、多くの場合、保護者が日々工夫を重ねて担っています。調査研究でも、在宅ケアを担う保護者は日常生活に少なからず不安・疑問(表3)を感じることが報告されています4,5)。歯科医師が口腔機能の観点から評価を行うだけでは、これらのニーズに応えることは難しいです。栄養学的知識と臨床経験を備えた管理栄養士が関与することで、子どもの状態に応じた適切な栄養評価と支援が可能になり、さらに保護者の努力を支える安心感を提供できます。表❷ 悪循環の構造(参考文献3)より引用改変)■ 経管栄養を主体とする生活では、咀嚼や嚥下の経験を十分に積めず、口腔機能の発達が遅れやすい■ 逆に、口腔機能の低下が原因で食事摂取量が不十分となり、低栄養や発育不良に至るケースもある■ 在宅で口から食べている子どもでも、感覚過敏や摂食経験の偏りから偏食が強く、必要な栄養が確保できない例も少なくない表❹ 小児在宅歯科医療の食支援にかかわる多職種■ 小児科医師■ 歯科医師■ 看護師■ リハビリ専門職 (理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)■ 薬剤師■ 保健師■ 保育士■ ソーシャルワーカーなど4.医療的ケア児を支える力を育てる─歯科医院が管理栄養士と歩む実践の道のり25
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