ステージごとに異なる栄養課題に取り組む必要があります。•幼少期 この時期は咀嚼機能や歯並び、顎の発育に直結する重要な段階です。砂糖摂取のコントロールや、歯や骨の成長に必要な栄養素の確保が欠かせません。厚生労働省の「乳幼児栄養調査」や学校保健統計調査では、砂糖摂取量の多い児童ほどう■の有病率が高いという相関が報告されています2)。とくに、1歳半でジュースの摂取習慣がある子どもは、そうでない子に比べてう■リスクが約2倍に上がることが指摘されています3)。こうしたデータは、歯科における食育の重要性を裏づけています。•青年期 青年期では歯周組織の健康維持が課題となります。歯肉のコラーゲン合成にはタンパク質・鉄・ビタミンCが必須で、これらが不足すると歯周病のリスクが高まります。運動やダイエットによる食事制限が口腔環境に影響することもあり、栄養状態の確認と助言が不可欠です。•老年期 高齢者ではサルコペニアやフレイルが進行しやすく、咀嚼や嚥下機能の低下によって栄養不足が生じやすくなります。厚生労働省「国民健康・栄養調査」では、高齢者の約15%が低栄養傾向にあると報告されています4)。とくに独居高齢者や要介護高齢者ではリスクが高く、食事支援が口腔機能維持と健康寿命延伸の鍵を握っています。 歯科医師や歯科衛生士は口腔の専門家ですが、栄養学的な支援を十分に行うには限界があります。そこで管理栄養士がかかわることで、患者指導がより実効性のあるものとなります。•専門性による説得力 管理栄養士は国家資格をもつ、栄養指導の専門家です。患者にとって「専門職の説明」であること自体が安心感と信頼感に繫がり、行動変容のきっかけとなります。•生活習慣全体を見わたせる 歯科医院には「自覚症状はなくても定期的に来院する」人が多く、そこで食習慣の偏りや健康リスクを発見できるのは大きな利点です。糖質過多やタンパク質不足といった課題は、栄養士が日常的に関与するからこそあきらかになります。3.歯科における栄養管理の必要性21 管理栄養士が歯科にかかわる意義
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