デンタルダイヤモンド 2026年2月号
11/13

図❶ 『単純結節縫合をマスターする スーチャリングの基本から応用テクニックまで』(小社刊) 単純結節縫合の重要性48 2025年10月、筆者は『単純結節縫合をマスターする スーチャリングの基本から応用テクニックまで』(小社刊)を上梓した(以下、書籍『単純結節縫合』:図1)。本特集では、その書籍の発刊前後に得た知見も交えて単純結節縫合について深掘りしたい。 筆者の最近の縫合における基本原則は、①縦切開は5-0ナイロンの1/2弯曲を使用する、②歯槽頂部の縫合はゼブラ縫合かコブラ縫合(後述)、③オープンバリアメンブレン法のときはトランポリン縫合かその派生版、の3つである。以下にそれぞれ解説していく。 なお、筆者は手術時間の短縮や患者の治癒促進の観点から術式の各段階ごとの写真は撮影しておらず、行程の一連をマイクロスコープの動画で撮影しており、本特集の写真もすべて動画からのキャプチャー画像のため、鮮明でない画像もあるがご容赦いただきたい。 「縫合」は外科手技のなかでも基本中の基本の動作であり、口腔外科、歯周外科、エンドサージェリーと、外科の名がつく治療には必ず縫合がかかわってくる。逆にいえば、縫合さえできればあらゆる外科処置への恐怖感が薄れるとも考えている。 縫合には水平マットレス縫合やX字縫合といった、さまざまなバリエーションがあるが、いわゆる単純縫合と呼ばれる「単純結節縫合」こそが縫合のいろはの“い”であり、この手技をマスターすることこそが外科的治療をスムーズに行う近道となると確信している。 筆者はこれまで大学病院を始め、開業歯科医院において手術指導を行ってきたが、切開、剥離よりも縫合操作が最も術者によって差が出やすいと感じている。スムーズに縫えている術者と稚拙な術者とは何が違うのかを分析して執筆したのが、書籍『単純結節縫合』である。 そもそもが、それまでに筆者が上梓した『インプラント小技帖50』(小社刊)のなかから縫合にまつわる小技を集めて執筆して「小技帖50外伝」とするつもりであったが、少し方針を変え、初心者からベテランまで読んで楽しく縫合が学べるように構成し直した。 単純結節縫合の重要性を知り実践することで粘膜の治癒が早くなり、術後の瘢痕化も起きにくくなると思っている(図2)。また、切開線を設定するとき、または術野を広く展開したいときには縦切開を入れるが、前歯部においては審美的要因から避ける傾向がある。 単純結節縫合が上達すれば、術後にきれいに仕上げられるために縦切開を入れることへの躊躇が少なくなると考える(図3、4)。 単純結節縫合のノウハウについては、書籍『単純結節縫合』にて動画付きで詳説したため本特集では省略するが、ぜひこの基本の縫合をマスターしてほしい。

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る