デンタルダイヤモンド 2026年1月号
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図❶ 初診時(2020年4月)の口腔内写真図❷ 初診時のパノラマX線写真37員で、寡黙ながら理解力が高く、治療説明に対して冷静に耳を傾ける姿勢がみられた。 初診時の口腔内所見では、半年前にクリーニングを受けていたものの、全顎的に歯石の沈着を認めた。直近で抜歯を行った部位は7および1であった(図1、2)。 歯周組織検査では、歯周ポケットの深さが4㎜を超える部位が52.3%、6㎜を超える部位も22.7%に及び、Bleeding On Probing(BOP)は77%と高値を示した(図3)。これらの所見から、広汎型慢性歯周炎Stage Ⅳ、Grade Cと診断した。 Plaque Control Record(PCR)は70%に達しており、1日1回のブラッシング習慣という背景も相まって、プラークコントロールの不十分さが顕著であった。さらに、前歯部では咬合接触の不足を認め、臼歯部には根分岐部病変も確認された。以上のことから、歯周環境としては罹患度・進行性ともに高く、回復力は低い状態であると判断した。 治療計画を立てるうえでは、個々の患者に対して明確な治療方針を設定することが大切である。本症例の患者はまだ40代と若いが、喫煙者であり、歯周組織の炎症および破壊の程度が強く、前歯部の咬合接触が不足していること、臼歯部に根分岐部病変を抱えていることが問題点として挙げられる。これらに対し、以下のような方針を立てた。 まずは禁煙支援を行い、ブラッシングの重要性を伝えることを第一とした。加えて、早期に右側臼歯部での咬合支持を獲得し、左側については歯周基本治療後の反応をみて保存の可否を判断する方針とした。 欠損補綴に関して、患者は「取り外し式の補綴装置は前医でも勧められたが、抵抗があ 口腔内所見 治療計画

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