歯科での対応に苦慮する29疾患~その審査・治療・薬剤処方から保険算定まで~
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 歯科は、治療手技が中心の外科系診療科目であるため、患者に接触しないオンライン診療そのものがとてもイメージしにくいと思います。 しかし、日常の臨床では必ずしもただちに処置を伴うわけではありません。オンラインであっても対診や視診、問診だけで診断ができ、患者の目的が達成される例は枚挙にいとまがありません。実際に遠隔地であっても、症状や病態を把握した後の診断や投薬、その他の患者への指示が可能です。 オンライン診療(電話再診)が有効な例を下記の「症例」の項で解説します。 実際の外来診療よりも双方の意思疎通がかなり難しいため、挨拶や声がけを行って積極的に打ち解ける関係構築に努めます。通常の対応をしているつもりでも、オンラインだと患者側は無機的な対応に感じてしまいがちです。 筆者は、患者に「通常のリアル診療にある検査や触診などができませんが、なんとかお役に立てるように頑張りますからお願いしますね」などと声がけします。これだけでも受け手の患者がたいへん協力的になります。 主訴である不安や痛み、機能障害などを完全には解決できませんから、場合によっては後日改めて外来受診してもらいましょう。●オンライン診療の環境設定 通信手段としては、LINEやFaceTimeなど画面で状態が診られるものであれば可能です。また、診療室での「オンライン診療のお知らせ」を患者に周知します。一番の障壁になりそうな印象がありますが、当院では日常から来院患者にラインの登録をお願いしています。症例1:乳歯の生える位置異常の心配 →萌出位置の状態を見せてもらい、今後についての見立てを伝えます。下顎前歯がAの舌側から萌出していることの問い合わせが多いですが、正常であることを説明します。症例2:学校の健診で舌小帯の異常を指摘された →小帯の状態を見せてもらい、舌を前方に突出してもらいます。その状況を見て今後の見立てを伝えます。症例3:口に何かできものがあり不安(下顎隆起や舌乳頭) →その状態を見せてもらい、悪いものではなく、骨の塊や正常構造物であることを伝え、舌の動きを邪魔するようであれば、除去も可能であることを伝えます。症例4:口唇に何か膨らみができた →その状態を見せてもらい、過去に患部を強く嚙んだ既往を確認します。既往があれば、小唾液腺囊胞と仮診断を伝え、「緊急性はない」と説明します。 嚙んだ既往がなければ、クインケ浮腫か、特定の物質に対するアレルギー反応と説明します。症例5:口内炎が痛い →視診後にアフタ性口内炎であれば、アズノールうがい液、アフタゾロン軟膏、アフタシールを処162162

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