二次感染(縦隔炎)予防のため、3〜5日間程度の抗菌薬投与を行います。症状および経過によって適宜延長して処方を行います。Rp)アモキシシリン(ペニシリン系) 750㎎ 3×3〜5日Rp)セファレキシン(セフェム系) 750㎎ 3×3〜5日 ペニシリンアレルギー時には、Rp)クリンダマイシン(リンコマイシン系) 600㎎ 3×3〜5日Rp)クラリスロマイシン(マクロライド系) 400㎎ 2×3〜5日 鎮痛薬は、治療中の処置内容によってアセトアミノフェンやNSAIDsを処方します。 軽度の気腫であっても、腫脹の増悪チェックのために翌日に再診させ、発熱・痛み増強時には即再評価を行います。また、現処置のエア使用を避けた治療計画への見直しを検討します。 再発防止指導として、強い含嗽やうがいの禁止、頰を膨らませない、喫煙禁止などを行います。 実際の症例を提示します。症例:40歳代の女性既往歴:特記事項なし 右側上顎智歯を開窓し、牽引装置を装着時にボタンセットのためにエアをかけたところ右顔面が急に腫れた(図1a、b)ため、病院歯科口腔外科を紹介受診となった。右頰部から眼周囲の腫脹を認め、右鼻唇溝も消失していた。CT撮影(図1c、d)にて右前頭部から顎顔面部、右頸部に広範な気腫がみられた。咽頭部までエアがみられたため、抗菌薬の点滴静注で経過観察を行った。1.治療中止 さらなる空気流入を防止のために、抜歯や根管治療の治療中止を検討し、区切りのよいところまでの処置を行います。2.安静・経過観察 軽症例では数日〜1週間で自然吸収されます。しかし、歯科用CTでは撮影範囲が狭いため、気腫進展範囲の確認のために医科用CT撮影可能な病院歯科口腔外科や医科病院救急外来などの受診が推奨されます。3.酸素投与 呼吸苦がみられる場合には高濃度酸素投与を行いますが、気腫を拡大させないようにエアの侵入経路には注意が必要です。4.冷罨法 皮下に侵入した空気そのものを消失させる治療ではありませんが、炎症と腫脹の抑制、疼痛の軽減、後続する浮腫の増悪予防、皮下出血がある場合の拡大防止に有効とされています。しかし、強く圧迫しないことが大切です。5.圧迫・切開不要 原則として穿刺や切開は行わず、圧迫などによって気腫を拡大させないことが重要です。151151
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