歯科での対応に苦慮する29疾患~その審査・治療・薬剤処方から保険算定まで~
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空腹時血糖値表❶ 慢性炎症・急性炎症のさまざまな因子の比較。現在、基礎医学研究のトピックで、慢性炎症の危険性があきらかとなっている。歯科では、歯周病・根尖性歯周炎が代表的な慢性炎症である原因・関連事項炎症の症状炎症の原因継続時間身体への影響代謝への影響炎症性サイトカイン・活性酸素産生総量遊送されるリンパ球の種類 以上の内容をそれぞれ自分の裁量で表現し、わかりやすく伝えることが重要です。 う蝕多発者、重度歯周病、大臼歯欠損の未補綴などで、糖質代謝の悪化が推察される場合、問診と必要に応じて随時血糖測定などを行って糖尿病が疑われる患者を抽出し、専門医に紹介しましょう。 また、糖尿病の患者には、「慢性炎症が如何にインスリンの働きを阻害するか」、「大臼歯でしっかり咀嚼できないと、糖質偏重食がブドウ糖の摂取量を増やしてしまう」など、歯科疾患の影響とその治療が血糖値を下げる行為になることを繰り返し説明します。 とりわけ、企業検診や事業所検診の網から漏れる主婦や自営業の患者は、詳しく問診を行い、必要ならば随時血糖を測定して評価することが有効です(表2)。この場合、「歯周病」、「智歯周囲炎」など、炎症性の歯科疾患病名を付与することで保険算定が可能です。わずか数µLの指先採血によって測定デバイスでの随時血糖計測が可能です。歯科衛生士が採血を担当しています(図2)。 患者本人の病識がまったくないケースで、問診と体型などから“歯周病”の病名で血糖を測定したところ、1時間前に食事をしていたにもかかわらず300㎎/dLでした。筆者の施設では、問診用紙の病歴に何も記入がなくても、実際に血糖を測定すると300〜400㎎/dLなど、極めて高い高血糖を示す患者が、歯科受診をきっかけに見つかるケースが少なくありません(図3)。 歯周病や口腔の炎症性疾患の評価法として、高感度CRP(hsCRP)がありますが、保険適応がないので、歯周組織検査や出血箇所などで評価します。欠損補綴における咀嚼機能は、補綴前後と口表❷ 血糖値の基準値を示す(㎎/dL)126空腹時高血糖空腹時高血糖食後高血糖正常高値110100正常型慢性炎症自覚症状はない/弱い炎症性組織・内臓脂肪数ヵ月から数10年・あるいは一生組織の劣化・老化が非常に危険炎症性サイトカイン・活性酸素が身体の代謝反応を強く阻害炎症の継続時間に依存して非常に大量であるリンパ球・マクロファージ糖尿病型境界型(食後高血糖)140200食後血糖値(2時間値)急性炎症発赤・発熱・腫脹・疼痛・機能障害外傷・感染症72時間一過性あまり影響しない傷病期間のみ好中球(㎎/dL)131131

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