著者情報

【著】
佐藤 勝史 （山形県開業）

概要

本書は、佐藤勝史先生による“吸着下顎総義歯”製作マニュアル書籍のシリーズ第４弾である。

2014年にシリーズ最初の『What is Suction Denture？』が吸着下顎総義歯に関する初のPicture Bookとして注目を集め、読者が求めるニーズとも合致して大ヒットとなった。2017年にはアドバンス編の『This is Suction Denture !』が出版されて吸着下顎総義歯の臨床はほぼ確立され、2021年の『“Questions!” about Suction Dentures. 』でさまざまな疑問に対するフォローもなされた。
しかし、超高齢社会の進展はさまざまな難症例を生み出している。総義歯治療においては、下顎の高度顎堤吸収、フラビーガム、オーラルディスキネジアなどが問題となる。
そこで、下顎総義歯吸着100％のために編纂されたのがシリーズ第４弾『Ultimate Suction Denture!』である。
シリーズ第１弾から10年が経過し、吸着下顎総義歯のバイブルがここに完結を迎えた。

正誤表

本書のP.207 「Chapter6下顎高度顎堤吸収症例の下顎義歯製作のプロトコール／8装着前リマウント・義歯完成」の図説の1行目に「下顎位に変化がない場合は、」とありますが、正しくは「下顎位に変化が少ない場合は、」となります。
ここにお詫びして訂正いたします。

目次

• 本書を発行するにあたり
• 巻頭グラビア
• Prologue　顎堤条件の良否を決める基準因子
• Chapter1　無歯顎精密印象の変遷
• Chapter2　下顎の顎堤吸収症例に適した印象法は？
• Chapter3　下顎無歯顎の口腔内条件と吸着との関係性
1. 01　頭位による口腔粘膜の変化と吸着検査
2. 02　開閉口時の口腔底部の形態変化の臨床的観察と総義歯製作時の対応法
1. 02-1　開閉口時の口腔底部の形態変化の臨床的観察
2. 02-2　口腔底部からの封鎖もれの確認法
3. 02-3　症例Ⅰ　舌房狭窄によって舌が後退位をとり、口腔底が沈下した症例
1. 1. 人工歯排列位置による舌房狭窄
2. 2. 床舌側形態による舌房狭窄
3. 3. 舌の横腹相当部の床の厚みによる舌房狭窄
4. 4. 骨隆起に起因する舌房狭窄
4. 02-4　症例Ⅱ　舌が後退位をとって口腔底が沈下した症例
1. 1. 舌房狭窄因子が発見できない、あるいは舌房狭窄因子を除去しても舌の後退位を起こしている
2. 2. オーラルディスキネジア
5. 02-5　症例Ⅲ　舌が後退位をとって口腔底がせり上がる症例
6. 02-6　例外症例
3. 03　開閉口時の舌と.粘膜の寄りの臨床的観察と総義歯製作時の対応法
1. 03-1　開閉口時のレトロモラーパッド周辺組織の臨床的観察
2. 03-2　レトロモラーパッド周辺部からの封鎖もれの確認法
3. 03-3　症例
1. 1. 吸着するパターン①
2. 2. 吸着するパターン②
3. 3. 吸着が得られないパターン①
4. 4. 吸着が得られないパターン②
5. 5. 吸着が得られないパターン③
• Chapter4　Suction Denture製作プロトコール
1. 01　Suction Denture完成までの流れ
2. 02　概形印象
3. 03　簡易咬合採得
4. 04　舌の後退位を考慮した精密印象
5. 05　ゴシックアーチ咬合採得
6. 06　試適　転覆検査
7. 07　装着前リマウント
8. 08　Suction Denture形態の特徴
• Chapter5　下顎無歯顎高度顎堤吸収症例の特徴とその対処法
1. 01　レトロモラーパッドの変形
2. 02　顎舌骨筋線下部粘膜の疼痛・潰瘍
3. 03　開口時の口腔底の挙上
4. 04　顎堤の平坦化
5. 05　密着できる顎堤粘膜面積の狭小化
6. 06　粘膜の菲薄化
7. 07　下口唇の内側転位
• Chapter6　下顎高度顎堤吸収症例の下顎義歯製作のプロトコール
• Chapter7　デジタルデンチャー
• あとがき