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書評

DHstyle増刊号 歯科衛生士のための小児歯科のきほん

【編】仲野和彦、権 暁成、田中晃伸


小児を診るための必須知識を一冊に凝縮!
『DHstyle増刊号 歯科衛生士のための小児歯科のきほん』

 本書はまだ子育てを経験していない歯科衛生士や、小児患者が多い医院に勤める方にぜひ読んでほしい一冊です。それは、小児の発育や小児との診療室でのかかわり方から始まり、資料収集、う蝕、歯周炎、外傷、歯科診療補助、保護者への予防教育、歯磨き指導、フッ化物応用、シーラント塡塞、口腔機能発達不全症など、小児歯科の必須知識が網羅されているからです。
 予防教育では、食事指導が必要とされています。本書では、食事内容や食べ方、食習慣をチェックする重要性が示されています。これにより、う蝕や歯列不正、口腔機能の発達状態、さらには家庭環境を知る手がかりが得られます。
 また、フッ化物応用と注意点も、基本的なことですが、つい忘れがちになっている知識の復習になりました。加えて、シーラント塡塞の解説ではラバーダム防湿が最初の手順に入っており、その重要性を再認識しました。
 口腔機能発達不全症は、小児の「食べる」「話す」「呼吸」を診て機能発達支援を行うことを目的に、保険収載されました。小児口腔機能管理料に加え、令和2年4月より小児の口唇閉鎖力検査も算定できるようになりました。今後も小児の評価項目はますます増えると予想され、小児矯正を行っていない歯科でも、小児の口腔機能管理が必要となります。したがって、これからの時代は、歯科衛生士として小児の口腔内を観察し、問題に気づき、改善に導くアドバイスをできる能力が求められてくると思います。
 本書にはQ&A方式で設問に対して答えを書き込める項目もあり、保護者に説明できるレベルにまで知識を落とし込めたか、確認できるようになっています。興味がある項目や、疑問に思うもの、説明に自信がない内容から読み進めていくと、楽しんで学べると思います。

(文・前池綾乃/としな歯科医院・歯科衛生士)
[DHstyle 2021年2月号掲載]

DHstyle増刊号 歯科衛生士のための小児歯科のきほん

DHstyle増刊号 歯科衛生士のための小児歯科のきほん

【編】仲野和彦、権 暁成、田中晃伸

B5判・132頁・オールカラー
小社より好評発売中!
定価(本体3,200円+税)


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