書評
歯科医院ではたらくスタッフのための “はじめて教える”講座
[著]杉元信代 [絵]あらいぴろよ
新人教育のバイブル!
『歯科医院ではたらくスタッフのための“はじめて教える”講座』
毎年約7,000人の歯科衛生士が誕生しています。晴れて歯科衛生士のライセンスを手に入れた新人歯科衛生士は、医療現場で働くことに大きな期待と少しの不安をもって就職してくるでしょう。一方、迎える先輩スタッフには、「新人教育」というタスクが課せられます。しかし、これが非常に難しいのです。
「新人教育って……何から教えたらいいの?」、「教え方がわからない」、「新人教育マニュアルを作ってみたけれど活用できていない」。新人教育には歯科医院の数だけ悩みがあるものだと思います。
そこで、『歯科医院ではたらくスタッフのための “はじめて教える”講座』の出番です。本書には「何を教えるか」だけでなく、「どう教えるか」がわかりやすく解説されています。
たとえば、報告、連絡、相談がなぜ大切なのか。それはどんなタイミングでどのようにすればよいのかなど、詳しくわかりやすいイラスト付きで書かれています。本書は新人教育係のスタッフが読むだけでなく、新人教育を受けている新人さんが読んでも、「先輩はこのことを私に伝えたかったんだ!」と理解の助けになると思います。なかでも印象深かったのは、「1年経ったら『同志』です」の項です。新人さんが育ち、同じ方向を目指す同志が増えていけば、医院のチーム力も上がることでしょう。
新人教育をする先輩スタッフには新たな気づきをもたらし、新人さんには歯科医院のスタッフの一員として成長するためのバイブルとなる1冊だと思います。おすすめです!
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歯科医院ではたらくスタッフのための
“はじめて教える”講座[著]杉元信代 [絵]あらいぴろよ
A5判・112頁
定価(本体3,000円+税)