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書評

唾液のチカラQA

[執筆]小川郁子 ・ 北川雅恵


患者さんの口の渇きが気になったらこの一冊!!

 超高齢社会、ストレス社会と言われて久しい昨今、来院される患者さんの口腔内が乾燥していると感じることが多くなってきました。ミラーが滑らず、粘膜にくっついてしまう。バキュームでの排除がとても痛そう。メインテナンスのたびにう蝕が見つかる。なんだか歯肉がすっきりしない、等々。「お口の中が乾く感じはありませんか?」とお聞きすると、乾燥感を訴える方も多いです。ただし、患者さんは口の渇きを病気と捉えておらず、歯科に相談するものとは思っていないようです。私自身も、唾液腺マッサージや保湿剤の紹介といった、画一的な提案しかできていませんでした。

 本書『唾液のチカラQA』では、口腔乾燥にはさまざまな原因があり、対処法も1つではなく、検査をして状態や原因を把握したうえでのアプローチが大切であると示されています。第1章「総論」では、唾液や唾液腺についての基礎を学び、知識を整理することができます。第2章「ドライマウス」では、口腔乾燥症のさまざまな原因や検査方法、対処法を知ることができます。第3章「唾液と検査、疾患」では、唾液を使った検査の方法や検査でわかることの解説があり、患者さんのモチベーションの向上・維持に役立てることができます。また、唾液腺に起こる病気の解説もあり、患者さんの異常に気づけるようにしておかなくてはと肝に銘じる章でもありました。本書はQ&A形式で構成されており、気になるときに気になる部分をすぐに読めるという手軽さも、お薦めのポイントになります。

 口腔乾燥に悩む患者さんに対して唾液の働きや口腔に与える影響をお伝えし、原因を説明し、状況に合わせた対処法を提案できる、いままで以上に患者さんに寄り添える歯科衛生士になれると思える1冊です。

文・田河和子
大阪府・フリーランス歯科衛生士
[DHstyle 2017年7月号掲載]

唾液のチカラQA

唾液のチカラQA
 

[執筆]小川郁子 ・ 北川雅恵

B5判変型・108頁・オールカラー
定価(本体3,400円+税)




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