書評
はじめる・深めるMFT お口の筋トレ実践ガイド
[編集委員]山口秀晴・大野粛英・橋本律子
かわいい表紙! 役立つ内容!
『はじめる・深めるMFT お口の筋トレ実践ガイド』
本書を手に取っ たときの第一印象は「これまでの口腔筋機能療法(MFT)の本にはない、カラフルでかわいい表紙! さてさて、中身は? お値段は?」でした。
本の第一印象を決める表紙は、とても大切だと思います。まずは目に留まらないと、手に取ってもらえないからです。本書は表紙を見ただけでとても興味が湧きました。次に内容と値段ですが、いくら内容がよくても何万円もするような本だと、買いたくても買えないですよね。
でもご安心を。本書は手ごろなお値段設定になっていると思います。
さて、本の中身ですが、本書は月刊『DHstyle』に連載された記事に項目を追加し、症例やQ&Aも加筆されています。全体を通じて図解や症例が多く、全頁カラーなのでたいへんわかりやすい作りになっています。
これからMFTを始めたいと興味をおもちの方には、その概要がわかり、さらに学びたいという気持ちが湧いてくると思います。また、すでにMFTを指導されている方には、臨床現場で感じる疑問の解決方法のヒントになると思いますし、スキルや知識の底上げにも役立つと思います。すべてのレベルの歯科衛生士さんにおすすめできる1冊だと思います。
本書は、主に19のCONTENTSとQ&Aから構成されているのですが、それぞれの項目が、まさに「知りたいこと」にフォーカスされていると思います。小児・矯正分野だけでなく「発音が気になる」、「言語聴覚士および言語障害通級指導教室とのコラボレーション」、「キレイをつくる表情筋MFT」など、歯科衛生士が知りたいと思う知識がたくさん盛り込まれています。なかでも、Q&AはMFTを学ばれている方から多く寄せられている質問なので、具体的ですぐに参考になる内容だと思います。
MFTを学ばれたり、指導されている方のなかには、身近に疑問や質問を解決できる環境にない方もいるでしょう。そういう方にも、本書は非常に役立つと思います。
MFTが日本に導入されて、40年近くになるでしょうか。いまではさまざまな分野でMFTが取り入れられるようになりました。小児・矯正分野だけでなく、高齢者の口腔リハビリテーションやアンチエイジング対策など、幅広く活用されています。
しかし、本格的にMFTを導入している歯科医院は限られているのも実情かと思います。MFTは私たち歯科衛生士が活躍できるフィールドです。ぜひ多くの人に取り組んでほしいと思います。
MFTにまったく興味のなかった方も、一度手に取って読んでみてください。きっとMFTを始めてみたいと思いますよ。もちろん、MFTを学ばれたり、指導されている方にもオススメです。歯科衛生士の力で、MFTを盛り上げていきましょう!
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はじめる・深めるMFT
お口の筋トレ実践ガイド[編集委員]山口秀晴・大野粛英・橋本律子
A4判変型・132頁・オールカラー
定価(本体5,000円+税)