書評
ライフステージに沿ったこれからの予防実践book
深川優子、他・著
超高齢社会の予防歯科に欠かせない情報が満載!
『ライフステージに沿ったこれからの予防実践book』
「予防歯科」という言葉が社会で認知されるようになり、80歳で20本以上の歯を有する人が50%を超える時代になりました(平成28年歯科疾患実態調査)。私たち歯科衛生士は、この結果から「生涯を通して口腔の健康を守り、健康寿命の延伸に寄与する」という命題に対して、社会からのニーズに応えつつ、さらにチャレンジすることが求められているのではないでしょうか。それに伴い、患者さんごとのオーダーメイドによる対応が、私たちにはいままで以上に求められています。患者さんの年齢層や背景は多岐にわたり、また、治療からメインテナンスまで治療ステージもさまざまです。
そうしたなかで、ライフステージ別の患者さんへの対応、具体的な予防の実践、全身疾患から加齢による変化など、いままさに求められている情報が満載なのが、本書『ライフステージに沿ったこれからの予防実践book』です。 そうしたなかで、ライフステージ別の患者さんへの対応、具体的な予防の実践、全身疾患から加齢による変化など、いままさに求められている情報が満載なのが、本書『ライフステージに沿ったこれからの予防実践book』です。
著者らは、スタディーグループ「深川塾」のメンバーです。歯科衛生士としてキャリアを積み、研鑽を積んでこられた方々が、その経験から得た臨床のコツをまとめられています。特筆すべきは、単なる予防実践の本ではなく、歯科衛生士観にも触れられている点で、患者さんへの思いや、歯科衛生士としての在り方が随所に散りばめられています。さらに、最後のトピックでは、全国の歯科衛生士へのエールが、各著者の味のある文章で綴られています。これらは、読者の背中を押し、“ともに進もう!”というメッセージに他なりません。
新人歯科衛生士だけでなく、ある程度キャリアを積んだ歯科衛生士にも、自分自身を振り返るために読んでいただきたい一冊です。私自身も、スタディーグループの目指すかたちを見せていただき、活力をいただきました。
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ライフステージに沿ったこれからの予防実践book
深川優子、他・著
B5判変型・196頁
定価(本体4,000円+税)