デンタルダイヤモンド社

わかりやすくて、臨床の場ですぐに役立つ！！

　これからますます、日本の高齢化は進行していきます。すでに歯科の現場にも、その影響が及んでいると感じる人は多いのではないでしょうか？　考えてみてください。「今日は70歳以上の方が何名来院されただろう……」と。すると、患者さんとの対話のなかで、全身疾患を抱え、薬を服用している方の多さに気づかされるはずです。

　本書『若手Dr＆DHのための全身疾患別で学ぶくすりの知識』は、歯科医療従事者が遭遇する頻度の高い全身疾患と薬についてまとめられています。各疾患の特徴が端的にまとめられており、理解を助けるイラストもふんだんに掲載されています。また、検査方法、治療方法、歯科治療時の注意点についても、丁寧に示されています。いままでにない、“歯科医療従事者のための”とても親切な内容になっています。

　全身疾患の特徴をしっかりと頭に入れておきたいところですが、忘れてしまうこともあります。そこで、歯科医院に一冊、チェアーサイドに置いておきたい書籍だと思います。

　たとえば、朝礼の際に、その日に来院される患者さんの既往歴を確認し、本書が示す注意点と照らし合わせることで、安心、安全な患者対応の準備ができます。

　歯科衛生士として責任ある仕事をするためにも、自分が医療従事者であることをしっかりと認識する必要があると思います。この一冊が私たちの強い味方となり、患者さんの安心と幸せに繋がると、私は思います。

　読了して、改めてストレスは万病のもとであることを認識しました。ストレス社会をどのように乗り切るか、心のもち方、発散方法などもあわせてアドバイスできる歯科衛生士になりたいです。

文・東 裕美
東京都・みどりが丘歯科クリニック・歯科衛生士
[DHstyle 2017年6月号掲載]