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書評

教えて先輩! ハイジニストワークお悩み相談室へようこそ

[著]青木 薫


先輩にもおススメの完全相伝の1冊!

 著者の青木 薫さんとのかかわりは、2008年に遡ります。私が主宰しているスタディーグループ「深川塾」では、参加者が講師を務めるのですが、記念すべき第1回目の講師が青木さんでした。ゆえに、今回の書評の依頼はたいへん光栄であり、かつ彼女の成長を確認できて、感慨深いものがあります。

 さて、ここからが本題です。

 臨床経験を数年重ねたころになると、後輩や新人を迎えるようになります。日常業務を円滑に進めるにあたって、新人への指導は時として面倒なものです。忙しい職場ではとくに、即戦力になる人材が望まれます。しかし、永続的な職場の活性化を考えると、新人・後輩教育は重要で、避けて通れません。なぜなら、彼ら・彼女らは、明日の歯科界を担う人々だからです。

 専門誌を読んだり、研修会に参加する時間がない人にとって、新人・後輩教育は手探りで行うことになりますので、何かマニュアルのようなものを切望するでしょう。まさにそのようなときに、本書は力を発揮します。現場に即したテーマやすぐに役立つ情報を、気楽に読み進められる構成になっていて、どんなレベルの歯科衛生士にも勧められます。

 本書を読み進めていくと、指導される立場だった新人のころの自分が思い出されました。当時、私の知識・情報は、学校で習ったことがすべてでした。しかし、実際の臨床現場と教科書ではズレが多々ありました。こうした矛盾を、本書は的確に埋めてくれます。

 本書は、DHstyleに4年間連載された記事を中心にまとめられた大作です。日常臨床における疑問・質問を網羅しています。青木さんと後輩の一問一答形式で、文字は少なめで図版を多用するなど、読みやすい工夫がなされています。青木さんの似顔絵があるテキストボックスが、質問に対するキーポイントです。実際の読者からの質問に答えているだけあって、テーマが多岐にわたっています。おかげで、現在の若い歯科衛生士の気持ちを知ることができました。

 印象的だったのは、“おわりに”で述べられていた、適切なアドバイスのための入念な調査についてです。院長や大学の先生に質問する際には、予備知識をもって臨み、慇懃な対応をされる青木さんの人柄から、執筆の努力と苦労が察せられました。本にまとめるにあたり、情報のアップデートも必要であったと思われます。

 インターネットにより簡単に情報を入手できる昨今ですが、そうした情報にはリスクもあります。一方、本書は現役のベテラン歯科衛生士による活きたアドバイスであり、信頼性の高い情報といえます。

 私も臨床5年目くらいにアシスタントワークに関する連載を経験しましたが、自身を振り返り、今回の執筆活動は、読者ばかりでなく、彼女にとっても成長の機会になったのではないかと感じました。

 時代は変わっても、医療を学ぶうえで、本書のような先輩・後輩のやりとりは必要です。“完全相伝シリーズよ、永遠なり”、ですね。

文・深川優子
第一生命保険㈱ 日比谷診療所・歯科衛生士

教えて先輩! ハイジニストワークお悩み相談室へようこそ

教えて先輩!
ハイジニストワークお悩み相談室へようこそ

[著]青木 薫

B5判・176頁・オールカラー
定価(本体3,400円+税)




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