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書評

絵でわかるスケーリングのきほん

[著]加藤久子 (歯科衛生士)


世界一わかりやすいスケーリングの超入門書!

 コロナ禍によって自粛生活が続き、日常生活のなかでスマートフォン(スマホ)に触れる時間が増えたという。いまや学生でも、1人に1台のスマホを持っている時代になった。スマホのなかにはさまざまなアプリが入っており、それらはどれもよく考えて作られている。アプリに共通していえることは、「説明書がない」ということだ。なかでも人気のアプリは直感で操作できるようになっており、使い方が複雑なアプリは、よいレビューをもらえないまま消えていく。
 それでは、書籍についてはどうだろうか。とりわけ、基本を学ぶための書籍に関しては、私は同じことがいえると思う。まずは直感で読んでいけるような、大きくてきれいなイラストを中心に書かれていることが大切だと思う。そして、自分が読みたいテーマをすぐに検索できる必要がある。基本を学びたい者にとって、直感的に読め、検索しやすい書籍は、好感度が高い。
 今回改めて、加藤久子先生がスケーリングの基本について上梓された。歯科衛生士なら誰もが当然身につけなければならない、基本業務であるスケーリング。しかし、基本業務だからといって、必ずしも簡単なわけではない。これがなかなか奥深く、きちんと理解できている歯科衛生士は、はたして全体の何パーセントくらいいるのだろうかと思う。この、基本でありながら奥が深いスケーリングをいかにわかりやすく伝えるかだが、本書は徹底的に大きなイラストとたくさんの写真を使い、直感的に見て学べるようになっている。
 また、章ごとにそれぞれカラーで分けられていて、知りたい内容をすぐに検索できるのはありがたい。本書の使い方は幅広く、たとえば新人が一人で読んでもよいし、院長や先輩の歯科衛生士が新人の初期教育の教科書として用いてもよい。
 あるいは、進路に悩んでいる高校生がいるのなら、「歯科衛生士はこんな仕事だよ」と見せてあげたいと思える書籍に仕上がっている。
 当クリニックではもう10年近く、加藤先生に歯科衛生士への技術指導をお願いしている。既卒者だけでなく、新卒者への指導を長年続けてこられた加藤先生の経験から生まれた本書は、奥が深いスケーリングの本質をついていて、無駄がない。スケーリングの基本とは何か。その答えが本書には詰まっているといえるだろう。
 ぜひ、みなさんにもこのシンプルで、そして必要十分な内容が詰まった本書を手に取って読んでもらいたい。

(文・荒井昌海/東京都・エムズ歯科クリニック)
[デンタルダイヤモンド 2021年4月号掲載]

絵でわかるスケーリングのきほん

絵でわかるスケーリングのきほん

[著]加藤久子 (歯科衛生士)

AB判/72頁/オールカラー
小社より好評発売中!
定価(本体3,800円+税)


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