続・日常臨床のレベルアップ&ヒント67選
2/26

刊行にあたって 本書は、2015年に発刊した『日常臨床のレベルアップ&ヒント72』の追加続編です。発刊から10年が経過し、歯科における治療器具・器材や治療技術の進歩は目覚ましく、大きく様変わりしています。とくに、歯科用コーンビームCT(CBCT)、歯科用マイクロスコープ、CAD/CAMと口腔内スキャナーが、歯科の三種の神器といわれています。ここ10年で、これらの一部は保険収載されたこともあり、普及が進み、歯科治療は大きく進歩し、治療成績の向上が期待されています。 わが国では2000年にCBCTが薬事承認され、当初はCBCT専用機でしたが、現在はCBCT複合機が主流となっています。たとえば、CBCT画像の読影はインプラント治療、歯内療法にとどまらず、歯周治療、口腔外科、補綴治療など、あらゆる専門分野で活用されています。日本顕微鏡歯科学会の会員数は、2025年3月6日現在、準会員も併せて2,160名に達していることから、その裾野の広がりを実感できます。実際、歯科用マイクロスコープは、歯内療法にとどまらず、いまや保存修復、補綴治療、歯周治療、口腔外科、インプラント治療、小児歯科など、ほぼすべての歯科治療に応用されています。CAD/CAMと口腔内スキャナーの普及により、印象採得、鋳造の時代から光学印象後、コンピュータによる支援を受けてデザインして製造する時代となりました。 本書では前作と同様、日常臨床でよく行われる臨床手技を「コンポジットレジン修復」「歯内療法」「歯周治療」「クラウン・ブリッジ」「インプラント」「有床義歯」「外科手術」「小児歯科」「高齢者歯科」「トピックス」の10カテゴリー全67テーマを取り上げています。前作が基本的な臨床手技を中心に取り上げたのに対し、本書では最新技術を中心に取り上げ、アドバンス的な内容となっています。 執筆は、各分野で注目されている先生方に依頼し、各先生方が創意工夫しているポイントや注意点といった、読者の先生方の臨床のヒントやレベルアップに繫がる“勘所”を端的にまとめていただきました。診療の合間などの隙間時間に本書を紐解くことで、短時間で診療の疑問が解決するような構成となっています。 本書が前作とともに読者の先生方のスキルアップに繫がり、ひいては多くの患者さんのQOL向上に寄与できると考えております。ぜひ本書を、日常臨床のバイブルの1つに加え、明日からの診療にお役立ていただければ幸いです。 最後に、ご多忙にもかかわらず快くご協力いただき、限られた紙面のなかで原稿をご執筆いただいた先生方に心より感謝申し上げます。2025年3月吉日北村和夫

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る