実践!ホワイトニング塾
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91-1 生活歯のホワイトニングの現在表❶ 生活歯のホワイトニングの歴史(参考文献2)より引用改変)1877年Chapple:シュウ酸を用いた歯の漂白に関する最初の報告1884年Harwan:漂白剤として過酸化水素を使用1895年Garretson:塩素を用いて失活歯を漂白1916年Walter Kaine:無水硫酸(18%塩酸)を使用してフッ素症の歯を漂白1918年Abbot:光源からの熱で促進される35%過酸化水素を使用1961年Spasser:過酸化水素と過ホウ酸ナトリウムを用いたウォーキングブリーチ1970年Cohen:35%過酸化水素を用いてテトラサイクリン歯の漂白を行う1984年Zaragoza:70%過酸化水素を加熱することで上下顎を同時に漂白1989年HaywoodとHeymann:過酸化尿素を使用したホームブリーチングを発表1989年Croll:表面的なエナメル質の変色に対するマイクロアブレージョンを発表1997年日本でオフィスホワイトニング材が初認可2001年日本でホームホワイトニング材が初認可く、最も効果的な審美的処置のひとつである。このような特徴を有するところから、ホワイトニングの社会的な認知度も高まってきたものと考えられる。—ホワイトニングの歴史 歯のホワイトニングの歴史は、1860年ごろまで遡ることができる(表1)2)。当時はシュウ酸などが歯面に塗布されていたが、過酸化水素やこれを希釈したオキシドールなどの過酸化物が用いられるようになった。生活歯のホワイトニングは、1900年代にテトラサイクリン系抗菌薬服用による歯の変色や、フッ化物の過剰摂取による歯のフッ素症(斑状歯)に対応することを目的として臨床研究が進められた。 その当時におけるホワイトニングの臨床技法は、高濃度の過酸化水素をガーゼなどに浸し、歯面に貼付していた。さらに、光線を用いて過熱することで活性化を図る試みも行われるようになった。失活歯に対しては、1848年まではさらし粉(次亜塩素酸カルシウム)を用いてホワイトニングが行われていたが、塩酸カルシウムと酢酸の溶液から塩素を生成するという方法が画期的であるとされていた。 塩化アルミニウム、シュウ酸、過酸化水素、過酸化ナトリウム、次亜リン酸ナ

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