2025年1月宮崎真至 白い歯を獲得する方法の一つであるホワイトニングという治療は、とくに若年層を中心として広く知られるようになった。また、ホワイトニングを手軽に行うことを目的として、歯科医院以外で行うことが可能なホワイトニング手法が紹介されるようになってきた。 一方、歯科医院で行われる生活歯のホワイトニングは、国の認可を受けたホワイトニング材を用いて行われる医療行為である。その安全性と効果については、歯科医師の指導のもとに行われることから、十分に担保されているものである。すなわち、歯科医師が主導して行われる「医療ホワイトニング」は、高いホワイトニング効果を有するとともに、患者に益することが大きな歯科治療の一つとして捉えられている。 この医療ホワイトニングであるが、患者への施術にあたっては、知識として必要な項目がいくつかある。また、ホワイトニング治療を効果的に進めるための臨床的なポイントあるいは留意点もいくつかある。さらに、患者とともに医療ホワイトニングを進めるにあたって、インフォームド・コンセントは極めて重要であり、その獲得のためのコンサルテーションも重要となる。医療とは、私たち医療人と患者との間における相互の深いかかわりによって成り立つものであるからである。 本書においては、医療ホワイトニングの現状とともに、この処置を行うにあたって必要となる、基礎的な知識としてのホワイトニングのメカニズムについて解説することから記述を始めている。さらに、国内で入手可能なホワイトニング材の詳細をわかりやすくまとめるとともに、それぞれの臨床術式を詳述している。とくに、本書の特徴としては、どの項目から読み進めても、それぞれの知識がそこで完結するように構成されていることが挙げられる。 本書は、ホワイトニングをこれから始めようという歯科医院をはじめとして、最新の知識へとアップデートすることを目指し、ホワイトニング治療をさらに進めようとする歯科医院においても満足する内容となっている。ぜひ、本書を医療ホワイトニングにおけるバイブルとして活用いただければ幸甚である。開塾にあたって
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