112 ホワイトニングによって白くて美しい口元を得られたとしても、そのホワイトニング効果は永久に続くものではない。ホワイトニング効果には後戻りがあり、その程度に差はあるものの、避けられない事象である。しかし、後戻りが生じたとしても、ホワイトニングを行う前の色調にまで戻ることはないとされている。 ホワイトニング後に色調の後戻りが生じる原因の一つとしては、飲食物由来の歯の表面への着色が挙げられ、歯の表面に経時的に色素が付着することで生じるとされている1)。これに関しては、ホワイトニング効果を維持するためにも、ブラッシングをしっかりと行うことで回避できるものと考えられる。 ホワイトニング効果に影響を及ぼすものとしては、酸性飲食物を摂りがちな食習慣が問題となる。酸性飲食物に対する偏食がある患者では、後戻りが生じやすいことを伝え、適切なメインテナンス間隔を設けることで対応する。 ホワイトニング効果の後戻りに関しては、患者自身が気づいて来院する場合もあるが、術者としては定期的なメインテナンスを行うことでその変化を把握する場合もある。来院した患者の口腔内を診査するとともに、生活習慣の変化がなかったかどうかについてもよく聴き取りを行う。その後、必要なタッチアップホワイトニングを、オフィスあるいはホームホワイトニングによって行う。ホームホワイトニングで対応することが多く、ユニバーサルトレータイプのホワイトニング材の使用は、色の後戻りへの対応に適している。色の後戻りへの対応法は?A16Q16
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