歯科医院開業バイブル2.0
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第2章医院設計・DX43新型コロナウイルスの流行以降、歯科医院における感染予防策は、「当然の備え」から「選ばれる理由」へと変化しました。歯科医院設計においても、時代に即した滅菌コーナーの構築や医療用空気清浄機の導入、さらには視覚的に“見える衛生管理”などが求められるようになってきています。機器を導入して満足、機能を満たす設計をして終わりではなく、それらを患者さんに訴求できる医院デザインが求められているのです。つまり、患者さんにとって「ここなら安心して通える」と感じられるかどうかは、医院設計の力に大きく依存しているのです。安心感を「見える化」することこそが、信頼を築く歯科医院設計の■となるのです(図2)。図❷ 感染予防策を強化した滅菌コーナーの事例ブランド価値向上スタッフ満足度(ES)図❶ さまざまな視点から歯科医院を設計する理念・ビジョンの可視化患者体験(PX)図❸ 快適なスタッフルームを実現した事例経営課題の解決これからの医院設計に求められる 7つのキーワード1.「感染予防策」の設計が安心感を生む2. 「スタッフ満足度(ES) 向上」と採用力強化につながるバックヤード設計歯科医院設計歯科医院における慢性的な人手不足。とくに、歯科衛生士や受付スタッフの採用と定着は、医院経営上の大きな課題です。そこで重要視されているのが、スタッフが働きやすい空間づくり、すなわちスタッフ満足度(ES)を高める医院設計です。たとえば、スタッフルームを単なる休憩スペースとしてではなく、“リセットとリフレッシュの場”として計画したり、お洒落なカフェのような空間を取り入れたりすることです。また、更衣室などを広く確保し、清潔に保つといった空間への配慮も挙げられます。こうした取り組みによって、スタッフの心理的安全性が高まり、結果的に定着率の向上やスタッフからの口コミ力にも貢献していくのです(図3)。3. 「患者体験(PX)向上」に直結する体験設計患者さんが「また来たい」と思う医院には、必ずといっていいほど“体験設計”があります。

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