(g/日)100806040200図❹ 総義歯新製時に栄養指導をした場合のたんぱく質摂取量の変化(参考文献4)より引用改変)p<0.05有意に増加89.989.9101.6101.6総義歯新製+栄養指導(n=31)N.S. p=0.00193.593.598.998.9前後後前総義歯新製のみ(n=31)フレイルやサルコペニアの予防には、良質なたんぱく質に加え、エネルギー源となる炭水化物を多く含む穀類や油脂類、体の調子を整えるビタミンやミネラル、食物繊維などをバランスよく摂取する必要があります。以下、実際の食生活指導を行う際に活用できるツールを紹介します。1.食事バランスガイド(図5)5) 健康な人の健康づくりを目的とし、1日に何をどれだけ食べたらよいかの参考となるように、「食生活の指針」に基づいて厚生労働省と農林水産省が考案・決定したものです。望ましい食事の組み合わせや量がイラストでわかりやすく示されています。これまでの食事内容を振り返り、足りない要素を確認して具体的な食生活指導を進めるのに役立ちます。2.食品摂取の多様性得点(図6) 国民健康・栄養調査の結果より、主食や嗜好品を除いた日本人が普段食べる主菜・副菜・汁物の約8割を占める食品群として、魚介類や肉類、卵、牛乳・乳製品、大豆製品、緑黄色野菜、海藻類、いも類、果物類、油脂類の10食品群から1週間の摂取頻度をチェックし、「ほぼ毎日食べる」を1点として10点満点で評価します6)。食品摂取の多様性得点が高いほど栄養素を効率よく摂取できており、フレイルに該当する割合が低い結果が示されています7)。 食品摂取の多様性得点は摂取量を問わないため、患者さん自身が思い出しやすく、意識づけしやすいのが特徴です。少し食材を足してみる、副菜を1品増やすなど、意識づけのきっかけになります。食品摂取の多様性得点を毎日意識できるようにチェックシートを活用し(図6)、患者さん本人に記録してもらうことで、意識変容・行動変容の一助となるでしょう。試験)によると、総義歯新製時に歯科医師が「食事バランスガイド」を用いた簡単な栄養指導を行うと、単に義歯の管理方法のみを指導した対照群と比較して、有意にたんぱく質摂取量が増加していることがあきらかとなっています(図4)4)。 口腔機能低下症の管理が栄養改善にどの程度効果をもたらすかについては、研究レベルでのエビデンスの蓄積はまだ十分ではありません。しかし、口腔機能の維持・改善を目的とした管理を行ううえで、舌圧や咀嚼機能といった個別の評価項目が改善した先にあるものの1つとして、歯科衛生士による栄養や食生活の視点からの指導はとても重要です。歯科診療室で活用できるツール
元のページ ../index.html#10