抜歯歯根破折再根管治療図❶ Repeated restoration cycle健全歯クラウンう蝕インレー修復抜髓二次う蝕 既存の修復物に不具合が生じた際、歯科医師は「撤去・再修復」か「リペア(健全な部位を保存し、不具合部のみを修復する方法)」かという選択を迫られる。 かつては、わずかなマージンの着色やチッピングであっても、二次う蝕のリスクを懸念して撤去・再修復が推奨される傾向にあった。しかし、介入を繰り返すたびに窩洞は拡大し、最終的には抜髄や歯根破折、さらには抜歯へと至る Repeated restoration cycle(図1)を招くことが指摘されている1)。 現代の歯科治療においては、MID(Minimal Intervention Dentistry)のコンセプトに基づき、健全歯質を最大限に保存して歯の寿命を延ばす観点から、リペアの有用性を再認識し、臨床における標準的な対応の一つとして位置づけるべきである。 臨床的な意思決定には、FDI(国際歯科連盟)の臨床評価基準のような国際的指標が有用である。2007年に承認され、2010年にHickelらによって提唱されたこの基準は、2023年に大きく改訂された2)。この改訂により、評価結果がそのまま管理10高橋礼奈 Rena TAKAHASHI東京科学大学 大学院医歯学総合研究科 口腔健康教育学分野第1章 撤去を考える前に11Repeated restoration cycleを断ち切る撤去かリペアかを分ける評価基準:FDI基準の活用歯冠修復物の撤去・リペアが 必要となる状況・判断基準・ リスク
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