コア部ポスト部図❶ ファイバーポストレジンコアの模式図コンポジットレジンファイバーポスト根管充塡材 ファイバーポストおよびCRを用いた支台築造(ファイバーポストレジントコア)は2016年に保険収載されて以降、国内で広く使用されるようになった1)。それに伴い、今後は補綴装置再製作や歯内治療に際してファイバーポストレジンコアの除去が必要となる症例も増加すると予想される。 本項では、ファイバーポストレジンコアの安全かつ効率的な撤去方法について概説する。 ファイバーポストレジンコアは、ガラスファイバーを主成分とするファイバーポストを芯材とし、その周囲をCRで築盛した構造を有する(図1)。 CRはメタルコアより機械的強度が低いため、ドライバーや兼松式合釘抜去鉗子などによる牽引撤去を行っても、ポスト-レジン界面あるいはレジン内部で破壊が生じることが多く、一塊での撤去は困難である。 また、ファイバーポストは弾性係数が低いため、超音波振動によるセメント破壊も困難である2)。したがって、回転切削器具や超音波切削器具を用いて段階的に切削しながら撤去する方法が一般的である。 ファイバーポストレジンコア撤去において最も注意すべき点は、健全歯質の過度な切削である。ファイバーポストレジンコアは歯質との色調が類似しているため、境界の視認性が低く、誤切削を起こしやすい。歯質切削に気付かず切削を進めた場合、穿孔や歯根破折を招く可能性がある。 また、ファイバーポストレジンコアの撤去には、少なからず健全象牙質の切削やマイクロクラックの発生が伴うといわれている3)。撤去に成功したとしても治療前と比較すると歯のコンディションは悪くなる可能性がある。ファイバーポストレジンコアの撤去は難易度が高く、場合によっては歯の保存が不可能となるリスクのある治療であることを術者、患者ともに理解しておく必要がある。 口腔内所見およびX線写真所見から下記のような問題が認められる症例では、ファイバーポストレジンコアの撤去を検討する。•歯内治療が必要な場合• ファイバーポストレジンコアの長さや太さが不適切で、維持力不足が考えられる場合70田中啓喬*1 Keisuke TANAKA 河崎雅弘*2 Masahiro KAWASAKI 荻野洋一郎*1 Yoichiro OGINO九州大学大学院歯学研究院 口腔機能修復学講座 クラウンブリッジ補綴学分野*1九州大学大学院歯学研究院 歯科先端医療評価·開発学講座*2第3章 クラウン・ブリッジの撤去&リペア44ファイバーポストレジンコアの特性ファイバーポストレジンコアの撤去におけるリスクファイバーポストレジンコアの 撤去
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