診断力アップのための口腔疾患Q&A 83
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❶ 神経障害性疼痛(抜歯後後遺症)❷ 症候性三叉神経痛❸ 歯科心身症原因不明の「いつもと違う」痛み患者 62歳、女性主訴 右側下顎歯肉の疼痛既往歴 高血圧症、B型肝炎、脂質異常症、白内障、特発性難聴、変形性膝関節症、耳鳴り家族歴 B型肝炎(娘) 現病歴 初診4ヵ月前より、右側下顎歯肉の疼痛を自覚するようになった。疼痛が持続したため、かかりつけ歯科医院を受診したが、口腔内に異常な所見は認められなかった。原因精査および加療を目的に、当科紹介となった。現症 顔貌左右対称。右側オトガイ孔部に、圧痛と右側下唇部の間欠的なしびれと知覚鈍麻を認めた。は欠損(数年前に抜歯済み)。右側下顎臼歯部に、歯の打診痛や動揺などは認めなかった。臨床検査所見 特記事項なし画像検査所見 パノラマX線写真(図1)で、右下顎臼歯部に根尖病巣や歯周炎の所見は認めなかった。CT画像(図2)でも、頭頸部に異常陰影は認めなかった。図❶ パノラマX線写真。疼痛の原因となりそうな異常所見は認めない図❷ CT画像。頭頸部領域に、疼痛の原因となりそうな病変は描出されていない157その他最も疑われる疾患名は?7676Q.

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