❶ 舌扁平苔癬❷ 舌癌❸ 自己免疫疾患❹ ウイルス感染舌の発赤、びらん患者 34歳、女性主訴 舌の左側が赤い既往歴 5歳時に血管性紫斑病家族歴 父親が膵臓がんにて死亡生活歴 飲酒;なし、喫煙;なし現病歴 201X年10月ごろより、左側舌縁に発赤を自覚し、時折接触痛が認められていた。翌年2月ごろに芸能人の舌がんの報道を見て不安になり、近医歯科を受診した。左側舌側縁に発赤と直径5㎜程度のびらんが認められたため、同院歯科医師が接触する6の咬頭を研磨して2週間経過観察を行った。しかし、発赤、びらんの改善が認められなかったため、同日、精査目的に群馬大学医学部附属病院歯科口腔・顎顔面外科を紹介受診した。現症 体格は小柄であった。倦怠感、熱発など、全身的特記事項は認められなかった。口腔内は左側舌縁に5㎜程度のびらんを伴う直径約10㎜の赤色病変が限局して認められた(図1)。周囲に硬結は存在しなかった。領域リンパ節の腫大などの異常所見は認められなかった。初診時血液検査 末梢血、生化学、腫瘍マーカーのいずれも、異常値は認められなかった。画像所見 生検の同日、舌エコーおよび各種画像を撮影した。舌エコーでは進達度は2.1㎜であった。造影MRI(T1/Gd-MRI)では4×16×6㎜の高信号を呈する腫瘍性病変が描出された(図2)。また、造影CTでは転移を疑うリンパ節は描出されなかった。FDG-PETでは舌病変に一致した部位にSUVmax:3.2の淡い集積が認められるのみであった。図❷ 画像所見図❶ 初診時の舌所見a:エコー像。矢印:深達度2.1㎜b:造影MRI(T1/Gd-MRI)。矢印:造影された病変143舌の異常最も疑われる疾患名は?6969Q.
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