1きれいな観察は検体の「採り方」が決め手図❷ 下顎左側臼歯部からの検体採取intermedia)の割合が高いと報告しています1)。また、WangとGengは、歯周ポケットの深さが異なることで歯肉縁下微生物叢の組成が大きく変化すると最新の研究で確認しています3)。2.臨床における検体採取の実際 理論上、重度の歯周病が疑われる場合は、4~5㎜以上の深さがある歯周ポケットからプラークを採取して(図2)、位相差顕微鏡で観察するのが理想的とされています3)。これは、歯周ポケットが深くなるほど酸素の少ない環境になり、嫌気性の病原菌が増えやすく、病原性の高い細菌叢に変化していると考えられているためです。 しかし、臨床において歯周ポケットの深い部位からのプラークの採取には、さまざまな問題があります。 一方、歯肉縁からのプラークの採取には、以下の利点が挙げられます。検査条件の標準化が可能再現性の高い検査患者への負担が少ない·歯肉縁上プラークコントロールによる歯肉縁下プラーク細菌叢の改善の評価が可能37同一部位、同一深度、同一採取圧の維持が困難血液成分や壊死組織の混入検査の再現性・標準化が困難患者への負担増加
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