Porphyromonas gingivalis(主要歯周病原菌)Prevotella intermediaTreponema denticola(スピロヘータ)Fusobacterium nucleatum表❶ 歯周ポケットの深さと酸素分圧・嫌気状態の関係1~2㎜(健康な歯肉溝)3~4㎜(移行期)5~6㎜(中等度の歯周ポケット)7㎜以上(深い歯周ポケット)浅い歯周ポケット(1~4㎜)の細菌叢比較的病原性の低い好気性菌が主体連鎖球菌(Streptococcus mutans)グラム陽性桿菌Actinomyces naeslundii図❶ 歯周ポケットの深さによる細菌叢の変化歯周ポケットの深さ細菌環境好気的環境。おもに好気性菌が優位好気性菌から嫌気性菌への変化が開始酸素分圧15.0~15.7㎜Hg、嫌気性菌の増加酸素分圧11.6~12.0㎜Hg、明確な嫌気状態深い歯周ポケット(5㎜以上)の細菌叢強い病原性をもつ嫌気性菌が90%以上 位相差顕微鏡で正確な細菌叢を観察するためには、検体の採取方法が非常に重要です。1.歯周ポケットの深さと細菌環境の変化 歯周ポケットの深さによる細菌環境の変化について、表1、図1の科学的知見が確立されています。 Loescheらの研究によると、歯周ポケット内の酸素分圧は深度に応じて段階的に低下し、15㎜Hg以下で嫌気性細菌の優位性が顕著になると示しています1)。またMettrauxらは、歯周ポケット内の環境が3~4㎜を境界として好気的状態から嫌気的状態へと移行し始め、それに伴い細菌叢も劇的に変化すると報告しています2)。 Loescheらは、5~6㎜の浅い歯周ポケットと比較して、7~10㎜の深い歯周ポケットでは有意にスピロヘータとBacteroides intermedius(現在のPrevotella 361検体の採取部位と採取深度きれいな観察は 検体の「採り方」が決め手
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