歯科のための位相差顕微鏡 活用・実践マニュアル
3/20

細菌の種類や活動性を見ることで、リスクを推測する治療前後で細菌の変化を比較して、改善を実感する細菌バランスから治療方針を考え、患者さんと共有する 歯科治療において、私たちは長い間、目に見えるものだけを頼りに診療を進めてきました。歯や歯肉の見た目、X線写真、触診、出血の有無など。もちろん、それらはとても大切な情報です。 しかし、本当の原因はもっと小さな、目に見えない世界の中に隠れていました。それが、プラークの中に棲む細菌たちの活動です。 位相差顕微鏡は、そんな目に見えなかった世界を私たちに見せてくれるツールです。しかも、単なる観察ではなく、さまざまなことを可能にしてくれます。 位相差顕微鏡は、診療そのものを「科学的に、やさしく、確かなもの」に変えてくれる力をもっています。 本書では、①位相差顕微鏡の基本、②観察方法のコツ、③細菌たちの特徴、④臨床への応用方法、⑤そして未来への可能性の5点について、できるだけやさしく、しかも正確にまとめました。 本書を手に取ってくださったあなたが「位相差顕微鏡をより身近に感じて日々の診療で活用し、患者さんと一緒に健康な未来を作っていく」。 本書との出合いがそんなきっかけになれば、これ以上うれしいことはありません。 小さな細菌たちの世界を覗きながら、これからの新しい歯科医療への一歩を、一緒に踏み出していきましょう。執筆代表塚本高久「見えなかった世界」をいま私たちは見ようとしている刊行にあたって

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る