歯科のための位相差顕微鏡 活用・実践マニュアル
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1予防歯科で活用する【参考文献】歯周炎のステージ歯間部の最も大きなCALX線画像上の重症度骨吸収歯の喪失複雑度局所範囲と分布ステージに記述を加える歯周炎のグレード進行の直接証拠おもな基準進行の間接証拠グレードの修飾因子リスクファクターステージⅠ1~2㎜歯根長1/3未満(<15%)歯周炎による喪失なし最大プロービングデプス4㎜以内おもに水平性骨吸収それぞれのステージにおいて拡がりを、限局型(罹患歯が30%未満)、広汎型(同30%以上)、または大臼歯/切歯パターンかを記載する骨吸収もしくはCALの経年変化骨吸収%/年齢バイオフィルム蓄積は症例の表現型喫煙糖尿病ステージⅡ3~4㎜歯根長1/3未満(15~33%)歯根長1/3を超えるステージⅡに加えて:プロービングデプス6㎜以上、3㎜以上の垂直性骨吸収、根分岐部病変2~3度、中程度の歯槽堤の欠損最大プロービングデプス5㎜以内おもに水平性骨吸収グレードA遅い進行5年以上なし<0.25多いものの、組織破壊は少ないバイオフィルム蓄積に見合った組織破壊非喫煙者血糖値正常、糖尿病の診断なし喫煙者1日10本未満HbA1c7.0%未満のステージⅢ≥5㎜歯根長1/3を超える歯周炎により4本以内の喪失ステージⅢに加えて:複雑な口腔機能回復治療を要する以下の状態。咀嚼機能障害、二次性咬合性外傷(動揺度2度以上)、重度の歯槽堤欠損、咬合崩壊・歯の移動・フレアアウト、歯数20本(10対合歯)未満グレードB中程度の進行5年で2㎜未満0.25~1.0バイオフィルムの蓄積程度以上に組織破壊:急速な進行and/or早期発症を示唆する臨床徴候(例;大臼歯/切歯パターン、標準的な原因除去療法に反応しない)喫煙者1日10本以上HbA1c7.0%以上の糖尿病患者ステージⅣ≥5㎜歯周炎により5本以上の喪失グレードC急速な進行5年で2㎜以上>1.0糖尿病患者ver.20220208表❶ 歯周炎のステージと歯周炎のグレード(参考文献2)より引用改変)1)TonettiMS,etal:Impactoftheglobalburdenofperiodontaldiseasesonhealth,nutritionandwellbeingofmankind:Acallforglobalaction.JournalofClinicalPeriodontology,44(5):456-462,2017.2)日本歯周病学会:歯周病の新分類への対応.https://www.perio.jp/file/news/info_191220.pdfム医療の必要性が高まっています。位相差顕微鏡はチーム医療の推進にも有効なツールであり、患者教育と管理の効率化が図れます。また、歯科衛生士が口腔内細菌の動画や画像を活用することで、患者さんのモチベーション維持にも繫がります。チーム医療では担当制を導入し、歯周病の治療においては進行度によって役割分担を行います。⿠軽度:新人歯科衛生士と中堅歯科衛生士⿠中等度:中堅歯科衛生士とベテラン歯科衛生士⿠重度:ベテラン歯科衛生士が単独または歯科医師と連携 このように役割分担を明確にすることで、歯科衛生士の育成にも繫がり、歯科医院全体のスキルアップが図れます。CAL:クリニカルアタッチメントロス105

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