1歯原性菌血症と全身疾患大腸がん図❷ 歯原性菌血症が原因となる代表的な全身疾患口腔細菌糖尿病認知症感染性心内膜炎972)人工関節感染・デバイス感染 人工股関節やペースメーカーなどの医療機器に、口腔由来の細菌が付着・感染する事例が報告されています3)。3)肺炎・誤嚥性肺炎 口腔内細菌が咽頭・気道に侵入することで、呼吸器感染の一因となる場合があります4)。4)糖尿病悪化や動脈硬化の進行 慢性炎症の波及によって全身性の炎症マーカーが上昇し、糖尿病の血糖コントロール不良や動脈硬化性疾患の進行に関連することが示唆されています5)。 このように、位相差顕微鏡を活用すると、菌血症を引き起こす歯周病活動性の高い患者さんを早期に特定し、全身疾患の予防的介入に繫げることが可能です。これは単に口腔内の病変を把握するだけでなく、全身の健康状態を守るための第一歩ともいえるでしょう。 位相差顕微鏡でプラークや細菌を観察するのは、とてもおもしろい体験です。細菌たちがリアルタイムで動いている映像を見ると、患者さんは「自分の口の中
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