2位相差顕微鏡で観察できない注意すべき細菌たち短桿菌桿菌 位相差顕微鏡による観察だけでは細菌の特徴的な形態の判別には困難なことが多いため、他の顕微鏡技術や方法が必要です。P. gingivalisの形態的特徴[短桿菌/0.5~1.0㎛/偏性嫌気性グラム陰性桿菌/非運動性] P. gingivalisは長さが0.5~1.0㎛程度のグラム陰性桿菌(棒状の細菌)で、嫌気性の環境で生育します。複数の鞭毛によって歯周ポケット内を移動し、感染部位に浸潤する能力をもっています。また、細菌がビリルビンを含むため、紫色を呈することがあります。この特徴的な色素がP. gingivalisの識別に役立ちますが、位相差顕微鏡による観察では判別が困難であることが多いです。 P. gingivalisは歯周病の発症において中心的な役割を担うため、歯周病の進行を抑えるには、細菌に対する理解と治療が重要です。671.Porphyromonas属 Porphyromonas属のPorphyromonas gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジヴァリス)は、歯周病と密接に関連している嫌気性グラム陰性菌であり、歯周病の主要な病原菌の一つです。プラークや歯周ポケット内で高い病原性をもち、歯周病の発症や進行を助長することが知られており、P. gingivalisは歯周組織に炎症や骨吸収を引き起こす主因として挙げられます。2.Tannerella属 Tannerella属の代表的な細菌であるTannerella forsythia(タンネレラ・フォーサイサス)は、歯周病の病原菌として広く認識されている嫌気性グラム陰性菌です。とくに歯周炎や歯周病の進行に関与することが多く、重度の歯周病患者のプラークや歯周ポケット内からよく検出されます。2歯周病にかかわる位相差顕微鏡で観察できない細菌位相差顕微鏡で観察できない 注意すべき細菌たち
元のページ ../index.html#13