歯内療法の三種の神器 2025-2026
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Chapter 2 歯科用マイクロスコープ 1988年、米国で歯内療法専門の研修医にマイクロスコープの使用が義務付けられた。一方、わが国では日本歯内療法学会の専門医の申請にあたって、2024年1月からマイクロスコープを有していることが必須となった。近年、学生時代からマイクロエンドドンティクスを行ってきた「マイクロネイティブ世代」が根管治療を自費で行う時代に突入したといっても過言ではない。そして、日本顕微鏡歯科学会の会員数が2,000名を超える時代となった。 そこで、現在の代表的な新機種として、Leica M320-D 4K、eAria、ブライトビジョン3200 R2、ブライトビジョン2000、KAPS microscope、プロスペクト・コンパクト2 ブリリアントの6つを取り上げ、その特徴と使用法について臨床例を交えて解説していただいている。  Chapter 3 Ni-Ti製ロータリーファイル 初期のNi-Tiファイルは破折しやすいことが欠点であったため、刃部の形態に関する工夫、金属の熱処理、回転などに関する研究がなされ、多くのエンドモーターやNi-Tiファイルが開発され、いまなお評価と改良が繰り返されている。 2022年4月よりNi-Tiファイルによる根管形成加算が保険収載され、2024年6月からはマイクロスコープの設置の条件が緩和され、ますます導入が進むと考えられている。 そこで、「新しいエンドモーターの特徴と臨床」として、トライオートZX2+、X-スマートProプラス、AI-Motorの3機種を取り上げて紹介している。 「新しいNi-Tiファイルの特徴と臨床」として、HyFlex OGSFシークエンス、One RECI、XPエンド ライズ、R-モーション、ProTaper Ultimateの5つのNi-Tiファイルを用いた根管治療について解説していただいている。  Chapter 4 根管洗浄 Chapter 4では、近年、歯内療法で注目を集めている根管洗浄について、「シリンジを用いた根管洗浄」と「機械的根管洗浄」に大別して解説していた011だいている。 Chapter 4では、EDDY、スマートライトProエンドアクチベーター、プレシジョン Ultra X、スプラソンP-MAX2を取り上げている。また、Er,Cr:YSGGレーザーによる根管洗浄については、お二人の先生に米国と日本のそれぞれの現状について解説いただいている。   Chapter 5 バイオマテリアル Chapter 5では、新しいバイオマテリアルとして、MTAマルチシーラー、ヴェリコムWell pulp PT、MTAフローホワイト、Bio-C Repair、スーパーMTAペーストについて、その特徴と使用法について詳細に解説していただいている。 Chapter 6 トピックス Chapter 6では、歯内療法関連のトピックとして「陥入歯の診断と治療」、「超音波マイクロチップを用いた歯周基本治療」、「日本人に多いRadix Entomolarisの診断と治療」、「ルートZX3(高周波モジュール)の歯内療法への応用と予後」、「デジタル式手術用顕微鏡:ネクストビジョンの特徴と臨床教育への応用」、「ラバーダム防湿の発明から160年後のラバーダム防湿を再考する」、「根管探索用ファイル:グライドファインダー」、「カルフィー・ペーストの特徴と臨床」、「ビタペックス®ソルベントの特徴と臨床」、「C-ZOO Miniαを用いた防湿」の10項目について解説していただいている。 本書は、前書に引き続きMOOKスタイルとして広告の挿入も可能とし、情報提供の場所の減少に悩む企業各社のフォローも企図した。新型コロナウイルスが流行して以来、臨床家が新製品に触れられる機会が少なくなっている現在、本書は歯内療法の三種の神器や根管洗浄、バイオマテリアル、さらに多くのトピックスも網羅し、歯内療法における臨産学のあらゆる情報をアップデートできる構成になっている。前書に続き、本書がすべての臨床家にとって歯内療法の新しいバイブルとなると確信している。 歯内療法のバイブル

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