歯内療法の三種の神器 2025-2026
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 グライドファインダー(マニー/モリタ:図1)は、その穿通能力や座屈強度の向上による優れた根管探索性、しなやかさと切削能力を生かした予備拡大までの両立を可能とするファイルである。これは新たな発想のスカウティングファイルである。 グライドファインダーは、以下のような特徴をもっている。①優れた先端切削性→根管を捉える②.03テーパーの強いファイル刃部→探索、穿通性、座屈強度の向上③可変横断面形状→根管追従性の向上 ファイルは、先端刃部が#08、#10および#15の3種類に中間ファイルとして#12を追加し、21㎜と25㎜の長さが提供されている。 根管探索に特化したファイルには、①先端切削性、②耐座屈性、③根管内での安定性、④根管開削方向図❶ 根管探索用ファイル「グライドファインダー」(マニー/モリタ)図❷ グライドファインダーの断面構造。先端部3㎜まではパスのための剛性を確保するために正方形の断面形状とし、それ以降の刃部はファイルに柔軟性を与えて根管への追従性を確保するために長方形の断面形状とした244Chapter 6 トピックスの安定が求められる。 根尖穿通能力に特化したファイルがいくつかのメーカーから提供されている。これらは、主として根管の通過障害に対するパスファインディングに使用するもので、ファイル先端部におけるカッティングエッジに特徴があり(図2)、単体での根管切削能力を有する。 作業長の設定を困難にする通過障害(block)としては、軟組織(歯髄残渣)や硬組織(切削粉)などの目詰まりのほかに根管狭窄、湾曲、石灰化などの病態生理学的変化が挙げられる。これらを排除して根尖経路を確保するためには、根管形態の把握のみならず適切なファイルモーション、根管洗浄剤の選択、そしてマイクロスコープなどの視覚機器の応用が重要である。いたずらに切削・穿通能力にのみ頼ると、根管内に不整形態を生じて根尖経路の設定がかえって困難になる。  グライドファインダーは、根管経路の探索に特化Pacific Endodontic Research Foundation JAPAN  中川寛一グライドファインダー根管探索(スカウティング)ファイル グライドファインダーと ファイルモーション07根管探索用ファイル「グライドファインダー」

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