表❶ バイオセラミックス系材料の分類と定義生体不活性Bioinert化学的に安定生体活性Bioactive化学的に結合吸収性生体内で吸収骨と置換されるBiodegradable生体内で酸化ジルコニウム酸化アルミニウム硬組織とハイドロキシアパタイトバイオアクティブガラスリン酸カルシウムジルコニアアルミナバイオセラミックスシーラーバイオセラミックスパテHAコーティングインプラント吸収性β-TCP骨補塡材MTA198Chapter 5 バイオマテリアル 近年、歯科分野におけるインプラントや骨補塡材、そしてMTAなどのバイオセラミックス系材料の応用が一般的になってきている。バイオセラミックスとは「傷害部の修復と再建を目的として生体に用いるセラミックス」のことであり、① 生体不活性、② 生体活性、③ 吸収性、の性質を有する非金属の無機質と定義される(表1)。 歯内療法領域において使用されるバイオセラミックス系材料は、硬組織と化学的に結合するといわれているハイドロキシアパタイト生成能を有しており、生体活性バイオセラミックスに分類される。そして、天然鉱物からなるポルトランドセメントをベースにした MTA系、人工合成されたケイ酸カルシウムをベースにしたケイ酸カルシウム系に大別することができる。また、材料組成の違い、硬化反応の違い、粉液混合タイプやペースト・パテタイプなどの材型の違いなどによってさらに分類することができる(表2)。 生体活性バイオセラミックス系材料はその良好な封鎖性・生体親和性の性質から、通常の根管充塡はもちろんのこと、歯根端切除術や意図的再植術などの外科的歯内療法における逆根管充塡、パーフォレーションリペア(穿孔封鎖)、直接覆髄や生活断髄などの生活歯髄療法、根未完成歯のような開大した根尖孔の根管充塡、そして近年では再生歯内療法などにも積極的に臨床応用されている(図1)。 ヨシダ社より発売しているBio-C Sealer、Bio-C Repairは、いずれも人工合成されたケイ酸カルシウムを主成分とし、それぞれの用途に合わせて潤滑剤などの添加物を配合しており、ケイ酸カルシウムの水和反応によって硬化する生体活性バイオセラミックス系材料である(表3、4)。 Bio-C RepairはBio-C Sealerと組成は同じであり、潤滑剤としてのポリエチレングリコールの添加割合神奈川県・たぶち歯科 田渕康允 東京都・石井歯科医院 石井 宏 歯内療法で用いられる バイオセラミックス系材料とはBio-C Repairの特徴04Bio-C Repair(バイオシーリペア)の 特徴と臨床
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