歯内療法の三種の神器 2025-2026
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図❶ 「スマートライトProエンドアクチベーター」(デンツプライシロナ)。医療用ポリマーチップによる音波型根管洗浄器である図❷ 前身であるエンドアクチベーター(2008年の販売当時名称)。2005年に米国の歯内療法専門医であるClifford J. Ruddle氏によって開発され、2008年からスイスのMaillererで販売が開始。その後、米国を中心に世界中で応用され、現在は50を超える研究論文が報告され、大学や歯内療法専門医によって使用されている152Chapter 4 根管洗浄 本項では、IATsにおいて「音波洗浄:Sonic Irrigation(SI)」に分類される「スマートライトProエンドアクチベーター」(デンツプライシロナ:図1)について、その詳細と臨床応用について解説する。  前述のとおり、スマートライトProエンドアクチベーターはSIに分類される根管洗浄装置であり、その前身であるエンドアクチベーターの開発は実に2005年に遡る。当時、米国の歯内療法専門医であるClifford J. Ruddle氏によって開発され、2008年にスイスのMaillerer社(当時の名称)が販売を開始した(図2)。現在までに50を超える研究論文が報告され、米国を中心とした大学歯学部や専門医によって幅広く応用されている5〜10)。 筆者は、開発者のRuddle氏から前身のエンドア 根管洗浄方法として広く一般的に行われているのが、ニードルとシリンジによる根管洗浄(Conven­tional needle irrigation:CNI)である。しかし、従来のCNIでは根管の複雑な部分に洗浄剤を届けることができないことや1)、根尖側に気泡が閉じ込められてヴェーパーロック効果が生じ2)、洗浄効果が低下する問題が報告されてきた。そうした問題に対応するため、Irrigant Activation Techniques(IATs)が開発され、その効果が検証されている。各IATsはそれぞれ洗浄効果に差はあるものの、総じて根管内の大部分にわたる清掃効果を高めること3)、術後の痛みを引き起こすことなく洗浄剤を作業長まで到達させること、そしてイスマス部の清掃効果を高めることなどが示されていることから4)、その応用は臨床的に効果的であると考えられている。東京都・平和歯科医院 阿部 修 Irrigant Activation Techniques (IATs)の有効性 スマートライトPro エンドアクチベーターとは03スマートライトProエンドアクチベーターを 用いた根管洗浄

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