123身体的フレイル約2.4倍筋力低下(サルコペニア)約2.1倍■ 基準:健康な人=1.0要介護認定約2.4倍図❶a オーラルフレイルと新規発症率およびリスク(フレイル、サルコペニア、要介護認定)(参考文献1)より引用改変)03. 口腔機能低下症とは、どのような病気か東京都健康長寿医療センター東京科学大学名誉教授19平野浩彦 Hirohiko HIRANO水口俊介 Shunsuke MINAKUCHI口腔機能と身体の健康 口腔機能と全身健康との関連については多くの知見があるが、2014年にオーラルフレイルの概念が考案されてから「口腔機能の複合的な低下」に伴う全身との関連の知見にも注目が集まっている。その一つとして地域在住高齢者を対象とした縦断研究(Tanakaら, 2018)1)が注目されている。本研究では、歯数、咀嚼能力、舌機能、発音機能、嚥下困難感など複数の口腔機能の低下が重複した状態が、身体的フレイル、要介護発生、さらには死亡のリスクを有意に高めることが示された(図1a、b)。すなわち、複数の口腔機能の軽微な低下の蓄積が、将来的な健康アウトカムを規定する重要な因子であることがあきらかとなった点に大きな意義があり、本報告を一つの契機に多くの知見が報告されている2〜5)。これらの知見は、従来の歯数や義歯の有無といった形態的指標中心の評価から、咀嚼・嚥下・発話といった機能的評価へと視点を転換させたものである。歯の残存そのものではなく、そこから引き出される機能が維持されているかが全身の健康に直結することが示された点は、歯科医療の役割を再構築するものと捉えることができる。さらに、口腔機能は栄養摂取の入口としてのみならず、発話や対人交流を支える社会的機能としても重要である。そのため、口腔機能低下は身体機能のみならず心理的・社会的側面にも影響を及ぼし、結果として生活の質の低下を招く。また、口腔機能の低下は外出頻度の低下や会話機会の減少とも関連口腔機能低下症とは、どのような病気か03
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