DHstyle 2025年冬号
9/18

0◉ 特集 歯周基本治療が楽しくなる! 患者さんの“やる気”を引き出すコミュニケーションのヒント 1711.412.310.730.323.720.615.745.832.332.0■ 2011年(N=13,603)■ 2016年(N=9,621)(%)痛み・腫れ・出血があったから過去に治療した箇所に不具合(取れたり外れたり)が生じたから定期的に通う(チェックの)時期だったから歯が欠けたり、折れたりしたから歯や口の中をきれいにしたかったから10【参考文献】20304050図❶ 歯科受診のきっかけ(参考文献2)より引用改変)1)厚生労働省:令和4年歯科疾患実態調査.https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33814.html2)日本歯科医師会.歯科治療に関する一般生活者への意識調査.https://www.jda.or.jp/pdf/DentalMedicalAwarenessSurvey_h28.pdf では、快く歯周組織検査を受けてもらうには、どのように誘導したらよいでしょうか。ポイントは、歯周病の原因となる細菌はつねに口腔内に存在し、共生していますが、宿主の健康状態や細菌の病原性によっては口腔内に悪影響を与えるため、歯周病発症の可能性は誰にでもあることを理解してもらうことです。 私たち歯科衛生士は、歯周基本治療で“歯のお掃除”をするのではありません。歯周組織を守っているのです。その治療に必要な検査がネガティブな印象で拒否されてしまうのは、非常にもったいないです。 筆者は、患者さんに検査や治療に対して理解してもらい、同意を得ながら診療を進めることが信頼関係の構築に繋がり、長期的に来院してもらえるようになると日々の臨床から実感しています。 そこで、本項ではおもに「歯周基本治療」という歯科衛生士が歯科医師の指示の下で主体的にかかわっていくステージにおいて、患者さんに検査や治療への理解と同意をいただき、意識改革から積極的な行動変容に至った流れを共有したいと思います。筆者の考える患者説明のコツについて、具体的な会話文を示しながら解説します。説明すべき内容の要点をまとめますので、ぜひ、日常臨床における1つの引き出しとして参考にしていただければと思います。(参考文献のURLは2024年12月20日最終アクセス)

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る