DHstyle 2025年冬号
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82 DHstyle 2025 WINTER歯科衛生士になって2年半くらい。ある程度の診療補助はできるようになってきた。父の代から継いで2代目。ボケたところもあるが、案外頼もしい。ゴルフ大好き。駅前工科大学の元教授。骨折によりリハ病院に入院中。あやこと院長は先生として接している。 ここはとある町の歯科医院。今日も個性豊かな患者さんが集います。 ある日、リハビリテーション病院(以下、リハ病院)※1)から、入院中のヤマダさん(2023年3月号参照)の入れ歯の調子が悪く、訪問歯科診療を依頼したいとの連絡が入りました。あやこ:あらまあ、そうですか! それでは、日程調整してご連絡いたしますね(そういえば、この前、予約キャンセルの電話をヤマダさんの奥様からいただいたときに、階段で転んで骨折したって聞いたわ)。院長:ヤマダさん、リハ病院に転院されたんだね。明日のこの時間帯は行けそうだから、連絡をお願いしてもいいかな。あやこ:承知しました。連絡いたします。ヤマダ:おお、院長先生。わざわざ申し訳ない。あなたは、えーと……あやこ殿でしたな。あやこ:こんにちは、ヤマダ先生(あらあ、なんだか気弱になってしまって……)。ヤマダ:雨の日に考え事をしながら駅で階段踏み外したら、このザマよ。わしは情けない。もうダメだ……。院長:ヤマダ先生! ここの先生方はみな熱心でよい方たちなんです。リハビリもうまくいきますよ! 頑張りましょう。……それで、入れ歯はどうですか?※1)リハビリテーション病院:脳卒中や大腿部骨折、廃用症候群などの疾患で回復期の患者が医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士らの支援で集中的な訓練に取り組む病院本連載では、歯科医院における高齢および機能低下のある患者さんに対する接し方や配慮を、歯科衛生士のあやこと院長をとおしてお伝えします。▶ 登場人物 ◀DHあやこ院長ヤマダさんリハ病院の病棟にてリハビリ中のシニアを本人に合った方法で元気づける

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