DHstyle 2025年夏号
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図❷ 製品がパックされたサンプル。仕舞い込まずにすぐ開ける特集 歯周治療の段階別にわかる セルフケアのポイントとグッズの選び方 17図❸ 筆者が使用している歯ブラシ。その日の気分で使い分けながら試しているません。筆者は、患者さんがいま最も改善したい部位はどこだろうかと考えます。たとえば、「歯の動揺があって噛みにくい」と訴えられたら、まずは動揺を少しでも収めることを目標とします。 患者さんの口腔内に歯肉の腫れや出血、たっぷり付着したプラークや歯石を見つけたら、「全部取りたい」と思いますよね。しかし、患者さんはそのように思っていないかもしれません。来院した患者さんに「私、歯周病ですよね。治してください」と言われた経験がある歯科衛生士は、ほとんどいないと思います。どれだけ悪くても、「えっ! 私って歯周病なんですか」と言われませんか? 私たちが治したくてたまらない歯周病は、患者さんにとっていますぐに解決したい問題ではないのです。よって、セルフケアグッズ処方の目的は、「患者さんの主訴を改善すること」であると考えています。 セルフケアグッズを処方するならば、各製品の特徴を知っておく必要があります。筆者は、自分で試すのが重要であると考えています。歯科医院で販売している製品に関しては、すべて自分で買うなり、先生に頼んで1本ずつもらうなりして使ってみましょう。また、デンタルショーで手に入れたサンプルは、もったいないからと宝物にするのではなく、新しい情報として自分のものにしないと無駄になります。サンプルは眠らせないで、使いましょう(図2)。 筆者は歯科専売品のみならず、市販品も揃えて日替わりで試しています(図3)。歯ブラシの毛先の当たり方やハンドル部分の持ちやすさなど、一つひとつ考察し、どんな使用感だったかをメモしています。患者さんに勧める歯ブラシを、「知り合いに勧められたから」、「学校で使っていたから」という理由で決めている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そうではなく、“患者さんの症状に対してセルフケアグッズの特徴を知ろう

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