86 DHstyle 2025 SUMMER歯周組織検査(再評価)治癒サポーティブペリオドンタルメインテナンスセラピー(SPT)医療面接(初診)歯周病検査歯周病診断治療計画立案歯周基本治療再評価検査歯周外科治療口腔機能回復治療再評価検査病状安定歯周病重症化予防治療進行予防図❶ 歯周治療の進め方(参考文献1)より引用改変)第07回 歯周基本治療の流れを勉強するには、基本的にどの症例も日本歯周病学会のガイドライン1)を熟読していただければよいのですが、患者さんによってリスクファクターが異なります。 そのようなとき、どのような知識を活用するか、患者さんへの伝え方の工夫、基本的な技術、歯科医師との阿あ吽うんの呼吸など、さまざまな対応が必要です。本号からは、筆者のどのような対応により患者さんが改善に向かったのかを紹介します。 本稿では、日本歯周病学会ガイドラインの歯周外科治療後の歯周組織検査「再評価」までの流れに焦点を当てます(図1)。糖分摂取過多によってプラークコントロールが不安定だった症例への対応をもとに解説していきます。重度歯周炎症例(広汎型慢性歯周炎ステージⅢ、グレードB)初診:2022年10月(図2)患者:71歳、女性。明るい喫煙:なし職業:美容師、現在は不定期で勤務主訴:全体的に歯周病を治したい ずっと昔から口臭があり、歯周病が気になっていたそうで、1年前に他の歯科医院を受診し、6の歯周病がひどくて抜くしかないと言われて通院をやめてしまったとのことです。悪いところは治したいと話されました。「治しやすいか? 歯科衛生士チェックシート」2)を活用 筆者が歯科衛生士1年目に作成した「治しやすいか? 歯科衛生士チェックシート」に沿って、治しやすい症例かそうではないかを評価しました(本誌2024年冬号を参照)。1.デンタルX線写真 前歯部は歯根長1/3以上の水平性骨欠損を認め、臼歯部の歯槽頂部歯槽硬線は不明瞭で、大臼歯部は歯根長2/3以上に及ぶ重度の骨縁下欠損と咬合性外傷による歯根膜腔の拡大と動揺があります。 また、6は脱落途中、7と67の歯周基本治療の再評価までの流れ①糖分摂取過多によるプラークコントロール不良の改善
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