76 DHstyle 2025 SUMMER図❶ かまたキッズデンタルパークの開設 当院は1966年に「鎌田歯科医院」として開業し、当初はう蝕などの治療を求める患者さんが多く来院されたそうです。 私が就職した1988年ごろの様子は、全体的に患者さんの年齢層が高く、開業当時から来院されている患者さんが多かったように記憶しています。治療内容は、補綴物の脱離や二次う蝕による再治療などの修復治療がほとんどで、私たち歯科衛生士は、そのアシスタントがおもな業務でした。 修復治療により、食べられる喜びを患者さんに感じてもらえて、歯科医療のやりがいを覚えていました。しかし数年が経過し、治療を繰り返しながら崩壊していく口腔内が多いことに気づき、毎日行っている治療に不安を感じるようになりました。 2000年に現在の院長へ世代交代をしました。新院長も当時の治療に疑問を抱いており、改革を求めていました。「予防歯科」の体制を整えるために講演会やセミナーに参加し、多くのことを学びました。すでに院長の歯科医師歴、私の歯科衛生士歴はともに10年を過ぎていましたが、学ぶことのすべてが新鮮で、それまでモヤモヤしていた思いが晴れていくようでした。 予防歯科に必要な設備を整えて、2002年から担当制・完全予約制の診療が始まりました。それまでの修復治療を求めて来院される患者さんに、予防歯科について理解してもらうのは簡単ではなく、資料を何度も作り直しました。知識と技術に加えて伝え方も未熟で、来院の途切れやクレームもありました。試行錯誤しながら患者さんの口腔に対する意識を育て、当院も成長しました。 歯科衛生士の増員に伴い、2008年にはメインテナンスチェアーやコンサルテーションルームを増設しました。「予防のために定期的に通う医院」が地域に広がりつつあり、子どもの付き添いで来ていた母親や、逆に子どもも連れて来たいなど、親子・家族での来院が増えました。 2012年には医院名を「かまた歯科・かまたキッズデンタルパーク」と変更し、キッズ部門(0〜12歳)を新設しました(図1)。開設当時は乳歯のう蝕を主訴に来院されたり、宮崎市で推進されている2歳児のフッ化物塗布をきっかけとして受診する患者さんがほとんどでした。 これまでの経験から、「生まれてから3歳までの生活が一生を左右する」という結論に辿り着き、「かまた歯科・かまたキッズデンタルーパーク」の歴史地域に根付く0歳から100歳までの予防歯科
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