DHstyle 2025年秋号
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的な社会経済・文化・環境歯唾液状態般全ワー行ク動 水道衛生保険医療住環境歯磨きフッ化物36 DHstyle 2025 AUTUMN生活環境地域のネットの要因・保健食生活糖質う■労働環境・社会個人学校教育環境農産物食品流通細菌図❶ う蝕の原因・環境が保険行動に及ぼす影響(参考文献3)より引用改変)。生活環境を変えなければ、行動を変えるのは困難 う蝕は、現在も世界で最も蔓延している慢性疾患の1つであり1)、予防可能な疾患の代表とされています。Pittsらは、「修復的アプローチではう蝕を“治癒”に導けない」2)と述べ、予防的な管理の重要性を強調しています。 しかし、多くの国ではう蝕予防の実践が十分に普及しておらず、依然として削って詰める従来のサイクルに依存した治療が主流です。その結果、乳幼児期や学童期などの早期に行われた治療や、成人期・老年期まで続く修復サイクルによって、歯質の喪失や健康への影響が積み重ねられています。 また、社会・地域のネットワーク、生活環境(社会的決定要因)が人々の行動を左右してしまうため、う蝕の罹患には地域差が発生します。図1はこれらを考慮したう蝕の要因です。実際の診療室では、このようなう蝕の特徴を踏まえた予防戦略が必要になると考えられます。 カリエスマネジメント4,5)の基本は、病変の早期発見・活動性評価・リスク評価を基に、社会的決定要因を含めた患者ごとのリスクに応じた予防・治療計画を立て、継続的にモニタリングすることにあります。 この個別化されたう蝕管理を実現するための重要な枠組みとして、「ICDAS(国際う蝕検出評価システム):図2左」6)があります。ICDASは、X線写真によるう蝕進行度の評価カリエスマネジメントがなぜ必要なのか?カリエスマネジメントがなぜ必要なのか?中本知之兵庫県・西すずらん台歯科クリニック 歯科医師西村 誠大阪府・西村歯科歯科医師杉山修平千葉県・杉山歯科医院歯科医師う蝕の世界的な現状と課題カリエスマネジメントの意義ライフステージ別!う蝕のリスク評価とマネジメント

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