歯科で活躍する管理栄養士 栄養指導・必携マニュアル
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APTER 14CH026表❶ 歯科疾患と生活習慣病(NCDs)の関連に関するエビデンスの評価。合計28種類のNCDsに歯科疾患が強く関連している(花田信弘:Nature Communications. 13(1): 761, 2022.より引用改変)①乳がん②膵臓がん③前立腺がん④肺がん⑤頭頸部がん⑥心血管疾患⑦代謝性疾患(血液マーカー)全身性炎症の指標(CRP)、鉄欠乏性貧血の指標(MCH)⑧糖尿病⑨肥満症⑩妊娠性糖尿病⑰異常な妊娠転帰⑱関節リウマチ⑪うつ病⑫認知症⑲乾癬⑬炎症性腸疾患⑳喘息⑭慢性腎臓病⑮多囊胞性卵巣症候群㉒非アルコール性脂肪肝(NAFLD)⑯妊娠悪阻㉑呼吸器疾患㉓ヘリコバクター・ピロリ感染症㉔胃腸虚弱㉕脳卒中㉖強直性脊椎炎㉗閉塞性睡眠時無呼吸症候群㉘薬物関連顎骨壊死(MRONJ)一見、無関係に思える歯科疾患と生活習慣病(≒NCDs)の関連についての科学的根拠(エビデンス)の質が最も高いアンブレラレビューが、2022年に発表されました。それによると、28種類のNCDsに歯科疾患が強く関連していることが示されました(表1)。また、歯科疾患と生活習慣病の共通リスク因子として3つのキーワードを図1に示します。❶は、遊離糖の過剰摂取によってう蝕が発症しますが、高血糖Ⅱ型糖尿病への移行リスクにもなります。高GI食品の摂りすぎ(糖毒性)といえる状態です。総摂取カロリーの5%以内に抑制するとう蝕のみならず、生活習慣病も防げます。❷は、歯周病による慢性炎症がインスリン抵抗性を惹起し、歯周病菌・LPSが血管に入る歯原性菌血症がさまざまなNCDs形成に関わっています。❸は、嚙む機能が低下すると軟性食材の糖質偏重食が増えることで、ブドウ糖負荷 歯科疾患と生活習慣病(NCDs)の関連の科学的根拠管理栄養士が知るべき歯周病と全身疾患・生活習慣病との関係

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