5-1 接触皮膚炎(金属)――局所型金属アレルギー(アレルギー性接触皮膚炎)を中心に127図❶ ピアスによる接触皮膚炎(急性)図❷ 金属製バックルによる接触皮膚炎(慢性)フレームが樹脂製であっても、内部の金属芯から金属が溶出し、接触皮膚炎を生じることがあるため注意が必要である。 皮革製品では、クロムなめしに由来するクロムが原因となることが多い。職業性曝露としては、セメント中に含まれる六価クロムが原因金属として知られている。医療器具においても、ステンレス製品に含まれるニッケルやクロムが原因となる場合がある。 さらに、楽器や工具など、趣味や職業に関連した金属曝露が原因となることもあり、問診で見落とされやすい点に留意する必要がある。 なお、患者が訴える「金属で肌が荒れた」「ただれた」といった表現は、必ずしもアレルギー性接触皮膚炎を意味するものではない。刺激性接触皮膚炎、摩擦皮膚炎、乾燥性湿疹などとの鑑別を行い、臨床所見と経過を踏まえて慎重に判断することが重要である。2.臨床症状 局所型金属アレルギー、すなわち金属によるアレルギー性接触皮膚炎の臨床症状は、原因金属が皮膚に接触した部位に一致して出現することが原則である。初期には境界明瞭な紅斑や浮腫性変化、紅色丘疹を認め、病変が進行すると小水疱を形成する(図1)。多くの症例で強い瘙痒を伴う。 原因金属への接触が中止されれば皮疹は次第に消退するが、原因が特定されないまま接触が反復される場合には、搔破によりびらんや痂皮を形成し、皮膚炎は慢性化する。慢性例では皮膚の肥厚(苔癬化)や色素沈着を伴い、治癒までに長期間を要することが多い。とくに手首、腹囲、頸部など、衣類や装身具による摩擦や圧迫を受けやすい部位では、原因除去後も症状が遷延しやすい(図2)。3.曝露形態と皮疹分布 金属による接触皮膚炎では、皮疹分布が原因検索の重要な手がかりとなる。ベルトのバックルによる腹部正中の湿疹、腕時計やブレスレットによる手関節背側の湿疹、眼鏡の鼻当てやつるに一致した鼻部・側頭部の皮疹、携帯電話の接触部位に一致した頰部皮疹などは典型例である。一方で、皮膚炎が広がり、接触部位が不明瞭になると原因推定は困難となる。慢性化した症例では、湿疹反応が周囲に波及し、患者自身が「どこが原因かわからない」と訴えることも
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