6 歯科材料アレルギー61図❷ レジン系歯科材料に対するパッチテスト検査時の写真。とくに常温重合レジンが顕著な反応を示している多く存在することが問題となる。MMAは揮発性と透過性が高く、粘膜刺激性および皮膚感作性を有することが知られており、使用部位の粘膜炎や接触皮膚炎の原因となり得る(図2)1,2)。またBPO自体も皮膚感作性が強い物質として知られており10)、自己重合レジンにおける感作性はMMA単独ではなく、BPOや第三級アミンなど複数成分の総体として評価する必要がある。 未重合モノマー量は粉液比、重合温度と時間、加圧の有無、硬化後の水中浸漬や保管条件によって大きく変動する。Lambら8)や Fletcherら11)は、自己重合レジンにおいて粉液比や重合条件を適切に管理することで残留MMA量を減少させ得ることを示し、Vallittu12)は、硬化後の水中浸漬条件や材料の種類によって水中へのモノマー溶出パターンが変化することを報告している。2)加熱重合レジン 加熱重合レジンは、おもに義歯床などで用いられ、加熱下でBPOを分解し、ラジカルを発生させて重合を完了させる材料である。一般的に常温重合型よりも加熱重合レジンのほうが重合度が高く、未重合モノマー量は少ないとされるが、重合温度と時間が不十分であったり、義歯床の厚みが大きい場合には残存し得る12)。義歯の修理やリラインには、常温重合レジンのみでなく、加熱重合レジンも用いられることが多く、とくにメタクリレートアレルギーの既往がある患者では、材料の選択と、術後の経過観察を慎重に行う必要がある。3)コンポジットレジンおよび接着性レジンセメント コンポジットレジン修復は審美性と接着技術の発展に伴い広く普及しており、その多くはビスフェノールAグリシジルメタクリレート(Bis-GMA)、ウレタンジメタクリレート(UDMA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)などのジメタクリレート系モノマーをマトリックスとし、高充塡無機フィラーを含む複合材料である9,13)。光重合型コンポジットレジンでは、カンファーキノン(CQ)を光増感剤とし、可視光照射により励起されたCQがジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)などの第三級アミンを還元剤としてラジカルを生成し、重合を開始する。照射不足や光源出力の低下、不適切な照射距離は、未重合モノマー残存の原因となる2,14)。化学重合型コンポジットレジンでは、重合開始剤としてBPO、重合促進剤としてジメチルパラトルイジン(DMPT)などの第三級アミンが用いられ、常温で酸化還元反応による重合が進行する。操作中に未重合レジンとの直接接触が起こりやすく、アレルギーのリスクが高くなる。 また、接着性レジンセメントは、化学組成および重合機構の点において、コンポジットレジンと本質的に共通しており、同様にBis-GMA、UDMA、TEGDMAなどのジメタクリレート系モノマーを主成分とする材料である。重合開始剤として光重合型ではCQと第三級アミン、化学重合型ではBPOと第三級アミン、デュアルキュア型では両者が併用される。 さらに、コンポジットレジンおよび接着性レジンセメントを使用する場合には、併用されるボンディング材にも注意が必要である。ボンディング材には、象牙質やエナメル質に対する濡れ性や接着性を高めるため、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)が含まれてい
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