10時間でわかるヒトと組織の問題を解決する仕組み なぜ院長は孤独なのか。その答えを「科学」する。
9/11

第1章 人材マネジメントの本質と課題1すれ違いが起こる理由 ── 構造の非対称性を理解する■ ポジションパワー(公式の力) アサイン権限や、許可、予算、報酬、情報、材料 …を握っている等■ パーソナルパワー(個人の力) 信頼性、専門性、実績、カリスマ、魅力、スタミナ、コミュニケーション力… 等■ リレーショナルパワー(関係性の) 提携する、頼れる、互恵性(多様なネットワークの中心にいて、精神的支援、助言、情報、資源を得られる力) 等図❶ パワーの源の3分類整理します。歯科衛生士としてスタッフの立場を、そして副院長・共同経営者として経営者の立場を経験してきた筆者の視点から、すぐに使える手法をお伝えします。現在院長を務めている先生も、勤務医時代やアルバイト時代の感情を思い出すと、心当たりがあるのではないでしょうか。 院長とスタッフのすれ違いは、個人の性格や価値観の問題ではなく、役割構造の非対称性から生じるものです。この構造を理解することで、対応策は格段に整理しやすくなります(表1)。 1.立場の違い(パワーと影響力の差) 雇用者である院長と、被雇用者であるスタッフとでは、立場が根本的に異なります。 「パワーと影響力」の理論におけるパワーの源の分類でも示されているように、院長は給与支払者であり、評価や役割付与を行う公式の力(ポジションパワー)をもっています(図1、『10時間でわかる歯科経営学』P.62参照)。そのため、ミーティングなどの場で意見が対立した場合、スタッフは院長と同等、あるいはそれ以上に踏み込んだ意見を出しにくくなりがちです。 さらに、歯科医師とコ・デンタルスタッフという職種差による知識量や経験値の違いから、スタッフが「間違っていたらどうしよう」、「うまく伝えられないかもしれない」と萎縮してしまうこともあります。こうした遠慮や諦めが、その後のすれ違いに繫がることがあります。2.視点の違い(時間軸の差)スタッフも理念や想いに沿って考えていますが、経営者である院長がもつ長期51院長とスタッフのすれ違いはなぜ起きるのか

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る