◉腸症状のみ 4例(0.8%)甲状腺炎のみ9例(1.8%)歯性病巣+金属アレルギー11例(2.1%)副鼻腔炎のみ13例(2.5%)甲状腺炎+病巣感染17例(3.3%)歯性病巣+副鼻腔炎19例(3.7%)病巣■桃のみ64例不明 84例(16.4%)(12.5%)病巣■桃+歯性病巣48例(9.4%)歯性病巣のみ244例(47.6%)60図❺ PPPの発症誘因の割合(参考文献6)より引用改変)いる。これらは無症状で無自覚であることも多く、通常は治療の必要がない程度のものであっても、発症誘因となっていることがある。3.金属アレルギー 歯科金属(銀歯など)に対して生体がアレルギー反応を起こし、体内の免疫系を介して手足の皮膚に炎症(膿疱)を引き起こすことがある。ニッケルなどの成分が多く含まれる食品(ナッツ類やチョコレートなど)も影響する場合がある。 これまで歯科金属アレルギーの研究は多くなされており、PPPに関与していると考えられてきたが、近年の研究5)では、金属の除去と同時に歯性病巣の治療を行っている例も多く、分析すると金属アレルギーはPPPのおもな誘因ではないことが示されている。このことから、患者の経済的な負担も大きい歯科金属の除去は安易に行うべきではないとの見解が出されている。4.腸内環境の乱れ 腸内細菌叢のバランスが崩れることで、免疫系の異常が誘発されると考えられている。PPP患者には頑固な便秘と下痢を繰り返すなど、腸管免疫に不調を来している方もいる6)。腸管免疫の破綻が起きると腸内細菌のバランスが崩れたディスバイオーシスとなり、これらの細菌に反応して過剰な免疫反応が起こると推察されている7)。5.その他(ストレス・ビオチン不足) PPPの症状は免疫の状態にも影響されるため、精神的に大きなストレスにさらされると症状が悪化する。またビタミンB群の一種である「ビオチン」の欠乏も、症状の出やすさに関連していると指摘されている。 筆者は、日本で最も多くPPP患者を治療している聖母病院皮膚科と連携して多くのPPP患者の歯科治療を行い、臨床研究を進めている。その聖母病院皮膚科の小林6)によって報告された発症誘因の割合を示したものが図5である。 PPPの発症誘因は歯科領域や扁桃、副鼻腔炎などの病巣感染が主であり、それらに喫煙、自己免疫性甲状腺炎、糖尿病など、症例ごとにさまざまな発症契機が複合的にかかわっている。この研究からわかることは、歯性病巣が関与している割合が高いということである。そのため、PPPの治療において歯科治療はとても重要で、「歯科治療をしなければ治らないPPPがある」ということは、歯科治療は歯科医師でなければできないのだから、とくに臨床の最前線を担う開業歯科医の責任は重大であると考えている。 『日本歯科医師会雑誌』は多くの開業歯科医に読まれており、大きな影響力をもっているが、昨年掲載された小林論文8)に、PPPにおける医科歯科連携の重要性が詳述されている。興味のある方は一読をお勧めする。
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